
CBTの可能性と教育的エビデンス -全国学力・学習状況調査と入学者選抜の挑戦-【vol.2】
■ 令和7年度全国学調「中学校理科」CBTでの実施結果
このように設計した上で、令和7年度全国学調で中学校理科を初めてCBTで実施しました。教育委員会、学校の先生方、さらには実施を支えてくださった端末やネットワーク関連事業者の皆様のおかげもありまして、ほとんど全ての学校で、無事調査を実施することができました。
ただし細かく見ると、10,000校弱の参加校の中で、ネットワークや端末の事情で実施できなかったところが18校ありました。わずかではありますが、実施できなかった学校があったことに関しては、次年度は全員がしっかり受検できるように対応した上で、令和8年度調査に臨みました。
令和8年度調査は、令和7年度以上に順調に実施をすることができ、トラブルの発生数も昨年より少なくなりました。子どもたちがCBTという形式に慣れてきたおかげもあろうと思います。令和9年度は、初めて小学校で全国学調をCBT形式で実施します。私たちも、円滑に調査が実施できるように支えていきたいと思っています。


令和7年度調査の中学校理科では、CBTの強みを活かして、実験の動画を見た上で、それに基づいて答えさせる問題を出題しました。ドライアイスを使用して二酸化炭素の中でマグネシウムを燃焼させた際に生じる化学反応について、原子や分子のモデルで表すという問題です。実験の動画というリアルな形で化学反応を見た上で、化学式を考えさせることができました。

自動採点も徐々に導入しています。下のスライド27の上段が、従来の紙のテストにおける採点フローのイメージです。まず答案用紙を回収してスキャンします。採点についても、全て複数人の目を通しているので、採点者が2人必要でした。これがCBTになると、解答がデータとして提出されるため、品質の高い自動採点プログラムを導入すれば採点にかかる時間と人員を減らすことができます。さらに採点期間を短縮して、より早く結果を返却できることも期待されます。

令和7年度全国学調の中学校理科の、結果の返却イメージが下のスライド28です。先ほど申し上げたように、教育委員会と学校には、500を基準とするスコアで、子どもたちには1から5の5段階で返却しています。

少し話が逸れますが、6月1日の全国学調の専門家会議で、教育委員会等への結果返却の方法案が示されたので紹介します。これまで全国学調の結果を教育委員会や学校に返却する際には、EXCELファイルやPDFファイルを用いていました。しかし、この方法ではファイルの数も多く、結果の活用以前に、まずファイルを開くのが大変な状況でした。
そこで今年(令和8年)の秋には、BI(Buisiness Intelligence)を使って結果を一覧できるツールを教育委員会に試行的に提供します。結果を見て、様々な気づきを得ていただけるような仕掛けをさらに用意できればと考えています。

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