
【vol.2】「大学入試改革」の今後 ~東洋大学の展望~
4.入試改革の成果 ~改革を続けることで何が変わったのか~
■ 志願者の増加と多様化
このように入試改革を十数年続けてきた結果、大学がどのように変わったのかについてご紹介します。
まず志願者数は、改革を始める前の2014年と比較すると、全体で第1部も第2部も大きく増加しています。また、首都圏以外からの志願者数も約2倍になっています。その理由としては、やはり5科目型・4科目型の学力試験を導入したことで、地方の国公立大学志願者の併願先として選ばれるようになったことが一番大きかったと思います。
留学生も、2014年に文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業に採択されてからは、日本語学校の説明会に参加したり、大学で説明会を開いたりといろいろな試みを行ったことで志願者数が増加しています。
スーパーグローバル大学創成支援事業に採択された頃の留学生の志願者数は292人でした。当時、日本の大学志願者数は延べ60万人でしたが、東洋大学の志願者は、延べ3万から4万人いましたので、全体のシェアとしては5~6%ありました。
また同時期、日本語学校に通っている学生が約4万4千人いたので、「その5%が取れたら、留学生の志願者2千人は見込めるのではないか」と目標を立て、結果的に、一時期留学生の志願者は2,200人になりました。そういうシェアというのは、日本人も外国人もそれほど変わらないようです。そういったこともやり続けて、このような数字になっています。

■ 志願者・入学者の学力層が大きく変化する
ここまでは志願者の数のお話でしたが、ここからは、実際に入学した学生の学力層を見ていきます。2008年当時、本学の理工学部は、河合塾の大学ランキングでBF(ボーダーフリー)を付けられており、またターゲット校の割合は、志願者・入学者ともに3割でした。その後、先述のようなあらゆる入試改革を実施し、その割合は入学者で55%、つまり、以前の3人に1人から、2人に1人に変わってきました。
こういった数字をエビデンスとしてこまめに出していくと、やはり教員が興味を持って、「ターゲット校からの入学者を頑張ってもっと上げていこう。そのためには何をすればいい?」となってきます。入試というのは大学全体で動いていくものなので、こうした数字を包み隠さず、学内にきちんと示すことは重要であると思います。また、大学全体でも、この12年間で志願者・入学者ともにボリュームゾーンが上位校にシフトしていることがわかります。

■ 入試を変えることで「選ばれる大学」に
東洋大学は、ここ十数年で9学部44学科・専攻から14学部51学科・専攻に、入学定員も5,770人から7,375人に増加しています。志願者数もほぼ倍増し、海外からの留学生数も、一番少なかった頃から考えると約4倍になりました。
これによって、入学して来る学生が変わったことを感じています。学生が変わると、教員が変わります。教員が変われば大学が変わり、ブランドが変わるのです。そして、そのためにはやはり「入り口」を変えるのが一番早く、効果があると思います。

これをお見せするのは少々生々しいですが、偏差値もかなり変わりました。2008年と2026年を比較すると、これだけ変わっています(スライド37参照)。そうなると、いわゆる「日東駒専」というグループ内の位置付けや歩留まりも変わってきています。

下のスライド38の表は、よく週刊誌に出ている高校別の大学合格者数を集計し、本学の定めたターゲット校の割合を比較したものです。これを見ていくと、上位大学、いわゆる早慶やMARCHあたりは、ターゲット校の割合が8~9割となっています。そして、本学を見ると、合格者に占めるターゲット校の割合が徐々に上がってきているのが分かります。
「東洋大学は頭一つ抜けたね」とよく言われますが、このデータを見ると、確かにそうなっています。こうしたデータを毎年作成して、自分たちの位置を経年的に確認しながら、さまざまな改革を進めています。
さらに、先にお話ししたような本学の理系学部は、キャンパスが埼玉県の川越と朝霞にあるので、他の私立大学との競争には厳しいところがありましたが、こちらも合格者の学力レベルが近年少しずつ上がってきています。その意味でも、やはりこういったデータは嘘をつかないな、と思います。

こうした改革を進めながら、より学習意欲の高い学生を獲得するために、入学者に占める第一志望者の割合を50%以上にすることを目標に掲げています。ただし、(ここまでに述べたこととは少し矛盾するのですが、)一般選抜で学力の高い学生を獲得していけばいくほど、第一志望率は下がっていきます。このあたりはバランスをとりつつ、なるべく一般選抜でも志望度の高い学生に入学してほしいと思っています。
こちらは出願時に出してもらうアンケートの集計ですが、5年ごとに見ていくと、第一志望率が徐々に上がってきていることは確認できています。こういった数字は、いろいろな指標として見ていくべきだろうと思っています(スライド39参照)。

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