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財政審、2040年までに大学250校・定員18万人削減を提言・・・文科相「機械的判断ではなく、分野や地域のバランス・質の高い大学教育の実現が重要」

財務省は23日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会において、2040年までに大学数を250校程度、学部定員を18万人程度縮減するよう提言した。教育や研究の質保証の観点から、大学数および学部入学定員について、規模の適正化を図っていくことを求めている。


18歳人口が減少に転じて以降も大学数は増加を続けている。1989年(平成元年)と2024年(令和6年)を比較し、18歳人口は約89万人(約45%)減少したが、大学数は314校(約63%)増加した。また、18歳人口に対する大学進学率は向上した一方で(1989年:24.5% → 2024年:58.6%)、私立大学では半数を超える大学が入学定員未充足の状況にある。さらに、一部の大学では義務・中等教育で学習する内容の授業が行われていることも指摘された。

こうした状況を踏まえ、財務省は、今後一定のペースで大学の規模の適正化を図る必要性を述べる。18歳人口に対応するかたちで私立大学の数を2040年に217~372校まで減らす場合、年間で16校・学部定員約8,700人ずつの縮減が必要と推計される。また、国立大学の学部定員は、年間約1,700人ずつ縮減される計算となる。

また、医師需給推計より、将来的に医師数が過剰となることは確定的であること、また理工系分野における適正な人材配分の観点から、医学部定員の大幅な削減に踏む込むべきとも指摘している。


こうした財務省の指摘に対し、松本洋平文部科学大臣は24日の会見で、18歳人口の急減期を見据え、高等教育の規模の適正化は「きわめて重要な課題である」との認識を示した上で、「定員割れの事実のみで機械的に判断するのではなく、分野や地域のリバランスを図りながら、学生を伸ばすことのできる質の高い大学教育の実現が重要である」と述べた。文部科学省では、2026年度から5年間を第1期とする「大学の量的規模適正化総合施策」を講じており、産業構造の変化に対応した理工・デジタル系人材の育成強化、人文社会学系学部の見直し、地域の医療・福祉・産業インフラなどを支える人材の育成、高等教育へのアクセスの確保などが目指されている。

また、医学部等の入学定員については、医療人材の需給推計などを踏まえながら適正化を図っていく必要があるとの認識を示した。一方で、地域における医療人材の確保が喫緊の課題であるとし、「地域枠」等の選抜方法を活用しつつ、医師の地域偏在の是正を同時に進めなければならないとしている。厚生労働省と連携しながら、地域や大学の実状を踏まえた適切な対応を行う方針だ。


詳細は下記リンク先から確認できる。
財政制度分科会(令和8年4月23日開催)資料一覧 : 財務省
文部科学省|松本洋平文部科学大臣記者会見録(令和8年4月24日)

執筆:山口夏奈(KEI大学経営総研 研究員)

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