目白大学・今野裕之学長インタビュー 目白大学が掲げる「育てて送り出す」教育の実践


4.AI時代の「逆算型学習」

今野: AIに対して「問いを立てて」と指示すること自体は可能ですが、出てきた答えを評価する「鑑識眼(批評眼)」は人間にしか持てません。そのためには、AIを遠ざけるのではなく「使って、使って、使い倒す」ことが必要です。使い倒していくうちに、必ず「ここはどうしても解消できない」という不満が出てきます。実はその不満こそ、本質的な「問い」の端緒となるのです。

大学教育における最大の課題は、従来の「積み上げ型の学習」からの脱却です。AIによって社会の技術や知識レベルが急速に底上げされている現在、基礎から一段ずつ積み上げていては現実に全く追いつきません。

これからの学生に必要なのは、「目標を設定し、そこから逆算して、“今何を学ぶべきか” “誰から知識・技術を教わるべきか”を考える学習」です。よくあるPBL(課題解決型学習)は、「企業に企画を提案して終わり」になりがちですが、企業活動の実態は違います。実現したいビジョンがあり、そこから逆算して資金や人材を集めてくるのが本当の社会です。

学生には、例えば「自分の推しに振り向いてもらいたい」といった個人的な目標でも構わないので、ゴールを設定してほしいと思います。そして、その実現のために、部屋に閉じこもるのではなく、学部学科の垣根やキャンパスの壁をも越えて、多様な人々を巻き込み、必要とあらば岩槻キャンパスの理学療法学科の先生にまで「教えてください」と走り回って人の力を借りる。そうした「社会の資源を活用し、目標から逆算して動ける人材」を育てることが、私の任期をかけた大きな改革のビジョンです。


5.未来の学び手・保護者へのメッセージ

今野: 現代は、偏差値という一つの指標だけでは測れない大学の魅力がたくさんある時代です。もちろん偏差値は見やすい指標ではありますが、保護者の皆様には、「大学に入ってからどれだけ伸びるか」「お子さんがその大学の環境にマッチし、生き生きと将来に希望を持てるか」という観点で大学選びをしていただきたいと強く思います。目白大学は決して超難関大学ではありませんが、一人ひとりの学生をしっかりと見て、希望する進路へ力強く送り出す「丁寧な教育」を行っているという強い自負があります。ぜひ、そういった観点から本学を見ていただきたいですね。

そして、これから大学へ進む高校生の皆さん。
本学の学びに明確な関心を持っている人はもちろん、まだ将来やりたいことがはっきり決まっていない人にも、ぜひ一度キャンパスに来ていただきたいです。

本学の魅力の一つは、中規模大学ならではのちょうどよい「距離感」です。他学科の学生や先生とも自然に関わる機会があり、さまざまな施設や学びの場を活用しながら、大学生活全体を味わい尽くすことができます。この「距離感」は、本学ならではの大きな魅力だと言えるでしょう。

また、本学では、学生一人ひとりが自分の関心や個性に合わせて、安心して伸びたい方向に伸びていける環境を大切にしています。その考え方を体現しているのが、緑豊かなキャンパスです。創立者がこだわりを持って木を植えてきた背景には、木がそれぞれの方向に枝を伸ばしていくように、人もまた、自分らしい方向へ伸びていってほしいという思いがあります。

キャンパスそのものが、学生を支える水となり、肥料となり、太陽となる。そして、一人ひとりを丁寧に見守り、「育てて送り出していく」。そこには、本学の教育に対する思いが込められています。

自分のやりたいことが決まっている人も、まだ迷っている人も、安心して学び、成長できる場所です。少しでも関心を持ったら、ぜひオープンキャンパスでキャンパスの雰囲気を感じてみてください。

目白大学には、皆さんの挑戦を親身になってサポートする仕組みと、相談に乗ってくれる先生方がたくさん揃っています。失敗を恐れず、自分のやりたいことや興味のあることに、思い切って飛び込んでみてください。

(記事終わり)


目白大学 今野 裕之 学長

プロフィール:
1996年筑波大学博士課程心理学研究科単位取得中途退学。
筑波大学研究協力課文部技官を経て、2003年に目白大学人間社会学部に専任講師として着任。
2005年同大大学院心理学研究科助教授、2012年同准教授、2014年同教授。
現在は、社会学部社会情報学科教授も兼任し、2026年より学長を務める。
専門は対人関係、社会的自己、メンタルヘルス。
著書に『組織健全化のための社会心理学』(共著・新曜社)『看護を学ぶ人のための心理学 第2版』(共著、弘文堂)等がある。


インタビュー:三品健(KEI大学経営総研 研究員)・菊地知暉(株式会社KEIアドバンス)
編集:山口夏奈(KEI大学経営総研 研究員)・若色千香(KEIHER Online 編集委員)

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