教育/ニュース

高大接続や大学設置基準改正などの教育トピックスについて、河合塾グループならではの情報を発信。

「QS世界大学ランキング2027」発表:アジア・中東の台頭で揺らぐ米欧の優位性

*本記事は、QS Quacquarelli Symondsより翻訳およびKEIHERへの掲載許可を得たうえで、同社発表の英文プレスリリースをKEIHER編集部が日本語に翻訳・編集したものである。
出典:QS Quacquarelli Symonds “QS World University Rankings 2027” Press Release


イギリスの高等教育評価機関Quacquarelli Symonds(クアクアレリ・シモンズ、以下QS)は、6月18日、「QS世界大学ランキング2027」を発表した。本ランキングは今回が第23回となる。

トップ10には米国・英国の大学に加え、スイスとシンガポールの大学が名を連ねた。マサチューセッツ工科大学(MIT)は15年連続で首位を獲得。インペリアル・カレッジ・ロンドンは3年連続で2位を維持したものの、今回は、前々年6位、前年3位と順位を上げてきたスタンフォード大学と2位の座を分け合う形となった。オックスフォード大学とハーバード大学は、それぞれ4位と5位を維持している。他方、チューリッヒ工科大学は7位から8位に、シンガポール国立大学(NUS)は8位から10位に順位を下げる結果となった。

世界トップ10に新たなランクインはなかったものの、イェール大学、香港中文大学、ジョンズ・ホプキンス大学がそれぞれ16位タイ、18位、20位タイとなり、トップ20入りを果たしている。

表1:世界のトップ20
表1:世界のトップ20

■ エグゼクティブ・サマリー

米国:比類ない規模と質を維持。MITが15年連続で世界首位となったほか、ハーバード大学が4つの評価指標でトップを獲得した。

英国:インペリアル・カレッジ・ロンドンを筆頭に世界的な影響力を維持。4大学が世界トップ10入りを果たし、5大学が過去最高の成績を収めた。

中国(本土):13大学が新たにランキング入りし、最も大きな成長を見せた。国内トップの北京大学を筆頭に、26機関が過去最高順位を記録。

香港特別行政区:アジアで最も改善が見られた高等教育システムとなった。ランキング入りした10大学のうち7大学が順位を上げ、香港大学と香港中文大学は世界トップ20に輝いた。

オーストラリア:世界的な地位を強化。ニューサウスウェールズ大学(UNSW)は、大学の評判に関する指標が向上し続ける中、国内首位を獲得した。

イタリア:欧州において改善が著しい高等教育システムの一つである。ミラノ工科大学が世界トップ100内の地位を強固なものとしている。

ドイツスペイン:ランキング入り大学数が大幅に増加。EU内ではミュンヘン工科大学とPSL大学(フランス)が最上位の大学となっている。

湾岸諸国の大学:記録的な成果を上げる。中でもキング・ファハド石油鉱物大学は過去最高順位に到達した。

ラテンアメリカ:下降傾向が続いており、ブエノスアイレス大学が同地域で唯一、世界トップ100入りを果たしている。

カナダ:競争圧力の激化に直面している。マギル大学が国内首位の座を維持。

南アフリカ:アフリカをリードする存在。ケープタウン大学は前年から順位を下げたものの、依然として同地域トップの大学となっている。


■ QS上級副社長 ベン・ソウター(Ben Sowter)氏のコメント

QS世界大学ランキングは、高等教育のパフォーマンスを評価するための重要なベンチマークとして引き続き機能しており、世界中の学生、研究者、教育機関、政策立案者の意思決定に役立っています。

高等教育は依然として、イノベーション、国際協力、そして社会・経済発展の重要な原動力です。既存の留学先の中には、留学生の移動や資金援助に関する政策を見直すところもあります。そうした中、新興の高等教育拠点においては、グローバル人材を引き付け、研究、知識創造、学術的リーダーシップにおける地位を強化する新たな機会を見出すことができるかもしれません。

今回のランキングは、米国が依然として世界の高等教育をリードしており、MIT、ハーバード大学、カリフォルニア工科大学といった機関が研究の影響力と評判の基準となっていることを示しています。同時に、アジアや中東の機関が研究と国際化への持続的な投資を目に見える成果に結びつけるにつれ、世界の高等教育の勢力図はより分散化しつつあります。

欧州の状況は依然としてまちまちです。長期的な資金援助やイノベーション政策を通じて国際的な地位を着実に高めているシステムがある一方で、停滞の兆しを見せているシステムもあります。


関連記事一覧