
豊島岡女子学園 中学校・高等学校 インタビュー[後編]
■未来を創るための高大接続――時代のうねりに負けない生徒を育てる
--実際に生徒たちを見てこられて、探究活動に取り組んできた生徒たちが大学の教育に今どういうことを期待しているのか、また先生方として、ここまで探究活動に取り組んできた生徒たちを、高等教育でどのように育てていってほしいのかというところをお伺いしたいです。
十九浦:本校の話をすると、意欲や主体性といった部分は十分に身に着けている生徒たちを多く卒業させられていると思います。今度はそこにテクニカルな専門的な領域、高校生ではたどり着けなかったところを学べるのが高等教育機関だと思っていますので、そこを身につけさせてもらって、より生徒たちが楽しく、自分の関心がある分野を極められるようにしてもらえるのが良いのかなと思います。
ただ、今いわゆる探究活動と呼ばれるものは一応どの学校でもやることになっていますけれども、まだまだ学校による温度感の差があって、大学に入った層がどういう層なのかというのが全然違っていますから、かなり試行錯誤というか、難しいところがあると思います。だからこそ、高校ではこうしてほしいというのも逆に大学のほうからアピールしてもらっても良いのではないかと思いますし、高大連携として、単純に受験生の募集ということだけではなくて、未来を創るための高大連携というのもどんどん作ってほしいなという願いがあります。
--最後に、今後の展望として、今後こういうところと連携を強めていきたい、SSHとして今後こういうことに力を入れて取り組んでいきたい等、何かお聞かせいただけるところがあればお伺いしたいです。
十九浦:まず、完成形は何をやっていてもないと思っていて、「これでいい」と思わないように成長を続けることが重要だと思っています。
これは、いわゆるSSH事業だけでなく、普段の授業をはじめ、学校の行事やクラブ活動、委員会も全部含めて、「これでOK」と思わない校内の雰囲気づくりというのはこれからもしていかなければならないと思っています。
そういう中で、何かのきっかけでまたチャンスがあって、面白いことが生まれて、『AcademicDay』のように思わぬ成長をしていくこともありますし、常に模索しながらやっていくことが大事かなと思っています。
あとは、今後いわゆる大学入試というか、教育全体の在り方がどんどん変わっていくと思います。入る段階のところもそうですし、入ったあともそうですし、前提が変わりはじめているので、そういった時代の変化、時代のうねりにも負けないような生徒たちを育てていくというところも重要だと思っています。
【後編終わり】
【リンク】
・豊島岡女子学園 中学校・高等学校 https://toshimagaoka.ed.jp/
インタビュー・構成・記事:阿部 千尋(KEI大学経営総研 研究員)