
グロービス経営大学院 君島 朋子 研究科長インタビュー
国際化は特別なことではない──自然体のグローバル教育
--海外からの受講者も多いと伺っていますが、国際化については、どのようにお考えでしょうか。
君島研究科長:MBAというのは本来グローバルな学位なので、あえて「国際化」を強調しているわけではありません。留学生を多く受け入れていることもあり、英語のMBAプログラムも日本語と同じように用意しており、2025年度は過去最多の39カ国から入学生を迎えました。また、日本人学生も、単位の3分の1まで英語で受講することが可能です。オンラインクラスでは海外駐在の方も多く、グローバルに垣根を越えて受講していただいています。

--VUCAの時代と言われていますが、学生に対して、経営目線で「先を見通す力」を鍛えるための取り組みはされていますか?
君島研究科長:教員は全員がビジネスの実践者であるため、VUCAな環境変化を読み解くことは経営の日常業務そのものであると考えており、どの科目でも環境分析をします。その上で、マクロな視点を養う場として、各界のトップリーダーをお招きする大規模カンファレンス「あすか会議」などを開催しています。その中では、大講堂で生成AIの台頭や国際政治における問題などといった大きなテーマについての話を聞くことはもちろん、夜になると20人ほどのグループに分かれ、登壇者と直接クローズドな場で議論する機会も設けており、時代の変化を肌で感じてもらっています。

未来を先取りするカリキュラム──進化し続けるMBAへ
--グロービス経営大学院の今後の展望をお聞かせいただけますでしょうか。
君島研究科長:社会が必要とする能力を先取りし、教育内容を進化させ続けることが我々の責務です。直近では、2025年度より従来のMBAプログラムを「テクノベート*MBA」と「エグゼクティブMBA」に再編しました。前者は、テクノロジーのビジネスへの実装力を体得し新たな価値を創造する力を、後者は、テクノロジーへの理解をベースに、組織変革や経営・マネジメントを担う力を、それぞれ重点的に育成するものです。
* テクノベート:テクノロジーとイノベーションを組み合わせた造語
https://mba.globis.ac.jp/program/

ただ、これで完成形ではありません。毎年変化を加えアップデートを続ける。今後の社会において求められそうな能力があるのなら、世の中の動きを先取りしなければいけない。我々には、学生が卒業する時期を見据えて、学びを提供する責務があるわけですから。
--最後に、他の大学へのメッセージがあれば、ぜひお願い致します。
君島研究科長:他の大学は「共に日本の人材を育成する仲間」だと考えています。それぞれの専門性を持ち寄ることで、より大きな価値を生み出せるはずです。実際に、クリエイティブに強みを持つデジタルハリウッド大学とは単位互換を行っていますし、大阪大学や北海道大学の工学研究科とは、彼らの持つ技術シーズ(独自の技術や強み、ノウハウ)をいかにビジネス化するかを考える共同科目を実施した実績もあります。我々にない専門性を持つ大学との連携は、今後も積極的に進めていきたいと考えています。
――理念に根ざした一貫性、実践につながる教育設計、そして社会とつながるエコシステム。グロービス経営大学院の取り組みは、まさに「時代に応える教育ブランド」の姿を示していると感じました。

エピローグ:本の紹介
--本サイトを訪れる方におすすめしたい本を教えていただけますでしょうか。
君島研究科長:強い志を胸にゼロからグロービスを立ち上げ、日本最大のビジネススクールへと成長させたグロービス経営大学院 学長 堀義人の著書『創造と変革の志士たちへ -真の実践力を身につけるための「自分の磨き方」-』です。
本書は、学長である堀がハーバードでの学び、ゼロからの起業、豊富な教育体験から得た勉強法&実践術を書き下ろしています。次世代を切り開くビジネスリーダーに必要な要素を、「能力」「人的ネットワーク」「志」の三つの視点から整理し、それぞれをどのように身につけ、育てていくべきかを具体的に解説しています。逆境に直面しても折れない志の磨き方まで踏み込んだ内容は、さらなる成長を目指すすべてのビジネスパーソンにとって、大きな指針となる一冊です。
なお、本書はグロービス経営大学院のオープンキャンパス参加者にお配りしておりますので是非参加ください。
◎オープンキャンパス情報:https://mba.globis.ac.jp/open-campus/
また、本科(MBA)への進学を検討している方、進学を視野に入れながら単科で1科目から学び始めたい方向けに、体験クラス&説明会を全国の拠点(東京・大阪・名古屋・福岡 等)及び オンラインで開催しています。
◎体験クラス&説明会情報:https://mba.globis.ac.jp/trial-class/

■ 君島 朋子(きみじま・ともこ)氏
Tomoko Kimijima
グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長(日本語MBA)。学校法人グロービス経営大学院 常務理事。グロービス・マネジメント・スクール マネジング・ディレクター。国際基督教大学教養学部卒業後、東京大学大学院総合文化研究科 相関社会科学専攻修士課程、法政大学大学院経営学研究科 キャリアデザイン学専攻修士課程を修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて食品・通信・医薬・金融・インフラなど幅広い業界の戦略・組織コンサルティングに従事。その後グロービスに参画し、現在は経営研究科長としてMBAプログラムの企画・運営を統括する。教員としては「思考領域」「ヒト領域」の科目を担当し、リーダー育成の専門家としても活躍。株式会社ラポールヘア・グループ社外取締役。
共著書に『ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル』『ビジネススクールで教えている武器としてのAI×TECHスキル』東洋経済新報社、共訳書に『一流ビジネススクールで教えるデジタル・シフト戦略』ダイヤモンド社。
■ グロービス経営大学院
https://mba.globis.ac.jp
■ インタビュアー:荻原 実紀(おぎはら・みき)
株式会社コトヴィア代表取締役/ブランド戦略コンサルタント。CI(コーポレート・アイデンティティ)およびブランド戦略、教育機関のブランディング支援を専門とする。企業・大学・行政・一次産業まで多領域の組織に対し、ブランド刷新、理念構築、経営者のビジョン設計、クリエイティブディレクションを手がける。人や組織の“本質的な価値”を見立て、内側からブランドを立ち上げる「感性デザイン経営」を提唱。経営と文化、感性と実践を接続する独自のアプローチで、共感と信頼を生み出すブランドづくりを行う。本インタビューでは、「教育機関におけるブランドの在り方と価値創造」という視点から、グロービス経営大学院の取り組みの本質に迫る。
記事執筆: 山下ちさと(フリーランスライター)
インタビュー・編集: 原田広幸(KEI大学経営総研)


