TOPインタビュー

国際紛争、大規模災害、少子高齢化など、厳しい状況の中で新しい道を拓くための人材育成・社会貢献に資する大学への期待は大きい。真摯に改革に取り組む大学トップの声を紹介する。

関西医科大学 木梨 達雄学長インタビュー[後編]

■「個々の頑張りをサポートする」関西医科大学学長としての役割

本学は、東京大学や京都大学、大阪大学のように、あらゆる人材がいて何でもやれるという環境ではありません。その意味では、ある種のハンディキャップを抱えていると言えるでしょう。

他方、本学の強みは、多くの先生方と直接接する機会があることです。そのため、例えば「この先生はこういうことをやっていらっしゃるんだ」と分かると、私のほうから連携をお願いしてみたり、「この国との連携は先生の中で活用できそうですか?」と具体的なオファーができたりもします。こうしたことをきっかけに新たな交流が生まれることもあるため、やっていて面白いです。自分は大それた人間ではないので、これくらいの人付き合いがマックスですが、新たな交流をつくっていくという点で、できる限りのことをやっていきたいと思っています。

しかし、私一人ができることには限界があります。そのため、教職員が皆、それぞれの持ち場で前向きに頑張ってもらえるよう働きかけていきたいです。その意味で、重要なのはビジョンと道筋をつけることです。個々の教職員の共感を得ることができると、それぞれの強みを発揮した自立的な取り組みや自己の成長が期待できます。

私のキャラからすると、そのほうが向いているんです。「この人のやっていることは素晴らしい」と感じたら褒めたくなりますし、それをさらに発展させるにはどうすれば良いかも、客観的にお伝えすることができます。それこそ教育と同じです。自立性を持たせるような働きかけをしたい。落ちこぼれることがないように、皆さんの良いところを伸ばすように。そういった形でサポートができればと思っています。


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