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  • 国際紛争、大規模災害、少子高齢化など、厳しい状況の中で新しい道を拓くための人材育成・社会貢献に資する大学への期待は大きい。真摯に改革に取り組む大学トップの声を紹介する。

関西医科大学 木梨 達雄学長インタビュー[中編]

教育・研究・臨床の循環を目指して

そうしたニーズに対応することは、本学としても非常に重要です。研究だけでなく、医師としても、新しい領域に対応し、きちんと患者さんに還元できるような仕組みを学内に作りたいと考えています。

そして、その実現のためには国際的な枠組みで取り組むことが必要不可欠です。その意味でも、国際連携に積極的に取り組んでいます。今後はがんに限らず他の分野でも国際化を推進し、本学を舞台として、日本だけではできなかったことにどんどん挑戦していきたいです。

また、そのような環境が出来上がると、今度は学生にも良い影響を与えることができます。最新の臨床が展開されている場で、教員がどのような研究をして、どのような治療をしているのか、という実践的な動きが、リアルタイムで学生に伝わるからです。これが、附属病院を持つ大学の一番の醍醐味だと私は思います。

こうした病院と大学の循環の中で教育を行なうことにより、学生に刺激を与えられるのはもちろん、彼らに「将来自分がどの分野に進むのか」というビジョンを持ってもらえるようにもなります。これこそが私が目指す「教育・研究・臨床」の大きなサークルなのです。

「教育・研究・臨床」、この3つを上手く循環させて、次世代の医療人を育成することが、本学の最大のミッションです。教育だけ、研究だけ、臨床だけ、という姿勢ではいけません。多少比重の違いはあれども、大学組織全体としては、これらが生き物のように循環していることが重要なのです。そうでなければ、本学の今後の発展はあり得ないでしょう。そして当然、ここに海外連携も加わり、新たなビジョンの導入や人的な交流を行なっていきます。

国際的に開かれた大学としての土壌を形成し、教育・研究・臨床を循環させること、これが私の一番の夢と言っても過言ではありません。まずはこれを、がんという一分野でなんとかやろうとしているところですが、将来的には大学全体の気運として、それが当たり前になると良いですね。なお、この取り組みは、文部科学省による「高度医療人材養成拠点形成事業」に採択されました。

令和6年度文部科学省「高度医療人材養成拠点形成事業」に採択されました。 |関西医科大学


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