
情報入試実施大学レポート―京都産業大学・南山大学・日本大学―
「情報入試元年」を振り返る―――2025年度一般選抜入試で「情報」を出題して【独自記事】
2025年度入試は、2022年の高校入学生から導入された新課程の学習指導要領に対応した初めての入試となった。大学入学共通テスト(以下、共通テスト)では「情報」(※1)が出題され、国立大学の入試では、この「情報」の受験が原則必須となった。
※1 2025年度共通テストでは、「情報Ⅰ」とともに旧課程履修者向けの「旧情報」が出題された。以下、本文中の「情報」は、「情報Ⅰ」と「旧情報」を合わせたものを指す。
さらに2025年度入試では、全国52の国立・公立・私立大学が個別学力検査や一般選抜で「情報」による入試を実施した。一般選抜の必須・選択科目で「情報」を出題する大学は、2023年度13大学、2024年度24大学と、近年顕著に増加している(※2)。
※2 河合塾「キミのミライ発見」調べ
あらゆる分野の学びに情報リテラシーが必要とされるようになり、「情報」の力を入試で測ることは、今後ますます重要になっていくと考えられる。入試を高大接続の観点から見ると、高校で学んだ知識やスキル、さらにそれらを活用した思考力を的確に評価することが必要であるが、「情報」は他の教科に比べて歴史の浅い新しい分野であるため、評価手法がまだ十分に固まっていない状況にあるとも言われ、入試への導入には課題が多い。
我々は、第18回全国高等学校情報入試研究会全国大会(千葉大会)と、第24回情報科学技術フォーラム(FIT2025)において、2025年度から新たに一般選抜の選択科目に「情報」を導入した3つの私立大学の教員に、初年度の実施結果と次年度以降に向けた展望を聞いた。試験方式の工夫、出題の狙い、受験生や合格者の変化など、情報入試を検討する指針になれば幸いである。
【目次】
■【京都産業大学 情報理工学部】併願オプションとして情報入試を実施 「情報」選択者の歩留まりが高かった


