「食は総合科学」の時代に 文化、科学、DX、そしてデザイン&コミュニケーション
【2】立命館大学 食マネジメント学部
次に紹介するのは、立命館大学「食マネジメント学部」である。2018年にびわこ・くさつキャンパスに設置された。
「食の成り立ちの源である自然生態系、人類の歴史や地理、食ビジネスを支えるグローバル経済といった俯瞰的な視点から、食品が提供する栄養や健康、食のおいしさがもたらす幸せなど身近な視点まで、食の全てを通して総合的に学ぶ学部」(大学ホームページより)
「社会科学としての経済学・経営学(マネジメント領域)をベースとし、人文科学に関する学び(カルチャー領域)と自然科学系の一部(テクノロジー領域)を合わせた三つの領域を通して、食科学(Gastronomic Arts and Sciences)という学問を複眼的な視野から究めていきます。食の背景にあるいろいろな物語を知ろうとする好奇心『世界をおいしく、おもしろく』が学びの原点」(同ホームページより)
上記が設置の趣旨ということになる。
従来、食に関わる学部としては、農学部や栄養系の学部などがあった。しかし、本学部は、食物という「もの」だけでなく「ガストロノミー」や「フードデザイン」という概念を取り入れ食文化=「こと」も本格的に対象にした大学のコースとしては嚆矢といえる。
なお、本学はガストロノミーやホスピタリティマネジメントの世界的な教育機関である「ル・コルドン・ブルー」との提携でも注目を集めた。