運動部学生の履修計画へのコミットメントが「学生募集」を改善
◆コミュニケーションツールとなった「履修計画書」
計画書に記載する項目は、「昨年度のGPA、出席率、履修科目数、取得単位数、達成度および自己評価」「今年度の履修科目数、単位数、履修登録のポイント」「今年度の目標と目的、卒業後の進路」等である。それに対し、指導者がコメントを記載したうえで、フィードバックの面談を行う。
もともとは、計画書を作成させることで、もっと学生を知ろうという試みだった。ところが、コロナを機とする、このささやかな試みに、思わぬ効用が見られるようになってきた。
まず、学生自身が学業に対する半期ごとの振り返りや目標設定を作成し、現在のGPAや出席率、この履修登録のポイントを可視化して指導者に提示することで、いい加減な履修をしたり安易に単位を落としたりすることが減少した。また、その後のフィードバック面談で今後の目的、ビジョンを学生1人1人と共有することで、練習時間や遠征などについても考えながら上手な時間配分ができる学生が増えてきた。
「計画書」の導入による学生の変化について、木村さんこのように述べる。
「学生自身、自分と向き合う機会を持つことにより、目標達成のために履修した科目の理解度を深めていき、しっかりと講義に取り組んでいると感じています。その結果、必然的に学業成績も上がり、そうすると大会成績も同じように上がっていって、直近ではインカレでも強豪相手に競り勝っています。」
「運動部学生に限った話ではなく、自主的に履修計画を立てられる学生もいれば、履修に不安を感じている学生もいます。こういった計画書はゼミ担当教員も行っている指導なのかもしれませんが、私たち(部活の)指導者が自らこういったところについても管理していくと、学生をより理解したうえで競技指導にも携われるようになりました。」