
大和大学 田野瀬 良太郎総長インタビュー[後編]
本学の出口目標としてもう一つ掲げているのが、就職希望者の60%以上を、東証プライム上場企業、有名企業400社(※)、従業員数5,000人以上の大企業へ就職させることです(※有名企業400社:日経平均株価や会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に株式会社大学通信が選出した企業(大和大学リーフレットより))。この目標は理工学部、情報学部に限らず、社会学部、政治経済学部経済経営学科にも共通しており、早慶大の実績をも上回る数値を定めています。
例えば理工学部1期生(2024年3月卒業)の場合、就職希望者160名の実就職率は100%で、そのうち、上場企業等への実就職率は35.6%でした。それが2期生(2025年3月卒業)になると、就職希望者164名について、実就職率が100%であることに変わりはありませんが、上場企業等への実就職率は59.1%にまで上昇しました。数値目標にはあと一歩及びませんでしたが、来年こそは60%必達を目指します。
このように、進学にしても、就職にしても、明確な数値目標を掲げて取り組んでいます。抽象的な目標ではピンと来ませんからね。高校の場合は、難関大学への合格者数で、その学校の実績が明確に分かりますが、大学の出口は本当に見えづらいです。ゆえに本学では、数値目標を立てて、目指す地点を具体的に示すようにしています。
教育学部生の教員採用試験現役合格率も、2024年度採用が84.5%、2025年度採用では90.8%となりました。これは、教員採用試験の現役合格率を公表している大学の中で、最も高い結果となっています。
また、本学は高校教員の育成に力を注いでいます。実は高校教員に教育学部出身者は少なく、そのほとんどが難関大学の他学部出身者です。教育学部出身者は、小学校の先生になる人が多い傾向にあります。このような状況下で、本学では私立大学の教育学部からでも高校の教員になれるよう指導を行ない、特に英国数の各教科専攻においては、全学生90名のうち60名以上を、高等学校教員採用試験に合格させるという目標を掲げ、学生・教職員一同、日々頑張っているところです。
――自校愛を持ってくれている方が高校教員になってくれると、教え子に貴学を勧めてくれるかもしれませんね。
まだまだ先の長い話ですけどね。けれどもおっしゃる通りで、本学出身の高校教員が増えるということは、大和大学のことをよく知っていて、進学先として勧めてくれる教員が増えるかもしれないということです。それは立派に学生募集戦略のひとつとなり得ます。高校の現場に「大和大学教育学部閥」が形成されると、非常に強いですね。事実、何人か本学出身の高校教員がおりますけれども、彼らは進路指導の際、熱心に大和大学の勧めてくれていると聞いています。