
大和大学 田野瀬 良太郎総長インタビュー[後編]
【各学部の進路(就職・大学院進学等)の数値目標を明確にし達成する】
そして3つ目は、出口をしっかりと保証することです。例えば、理工学部、情報学部では、学部全体で60%以上の学生を、難関国公立大学の大学院へ合格させることを目標の一つとしています。理系学部におけるこの進学率は、早慶大・関関同立大をも凌ぐ目標値です。そしてポイントは、自大学の大学院ではなく、難関国公立大学の大学院への進学を目指すところにあります。
理工学部を新設する際、私は産業界を訪ねて回りました。企業がどのような学生を求めているのかを調査するためです。その時に、「ちなみに御社はどのような大学から学生を採用しているのですか?」と併せてお聞きしたところ、大手企業の理系では、採用人数のほとんどを、難関国公立大学の大学院出身者が占めているとわかりました。新商品や新たな技術開発に挑むような方たちは、おおむね大学院修了生だそうです。理系人材は6カ年一貫教育になって久しいため、産業界もそのような採用になっているのでしょう。
この現実を目の当たりにした私は、全国の国公私立大学が理系の大学院を持っている中、新参者である本学が現時点で大学院を作っても、特に大手企業からは相手にしてもらえないことを痛感します。そこで、「それならば難関国公立大学の大学院に学生を進学させられるよう指導をしていこう」と考えたのです。
理工学部の1期生が2024年3月に卒業しましたが、東京大学大学院工学研究科をはじめ、大阪大学大学院工学研究科および情報科学研究科、名古屋大学大学院工学研究科、筑波大学人間総合科学研究群およびシステム情報工学研究群など、難関国公立大学の大学院に多数進学していきました。ただし、進学率自体は学部全体の25%ほどですので、これを60%まで上げていきたいです。なかなか高い目標だとは思いますが、1期生の実績に手応えを感じています。
Success 2024 有名企業に続々就職決定!難関国公立大学大学院にも合格!〜理工学部 | 大和大学
――試験対策は大学の先生が指導されるのですか。
専門分野は、もちろん教授の先生方が教えてくださいます。
加えて、どの大学院でも必須となる英語に関しては、本学の英語教育センターが学生たちの成績を管理し、アプリ等も活用しつつ、徹底的に指導を行なっています。目標は1、2年生のうちにTOEIC 600点です。本気になれば、半期でスコア120点アップも夢ではありません。
さらに、本学では最先端教育を行なう国公立大学大学院と協力し、研究室での共同研究やインターンシップも実施しています。自大学の大学院ではなく、難関国公立大学大学院への進学に向けた細やかな指導・サポートを行なっている大学は、他に類を見ません。本学の特色と言えるでしょう。

大和大学のキャンパス(写真提供:大和大学)