佐賀女子短期大学 今村正治学長[後編]
■韓国との長年のかかわりと、佐賀での韓国との出会い
Q:韓国への着目するきっかけは何だったのでしょうか?
今村学長:韓国への興味は、実は昔からです。少年時代に、金大中(キム・デジュン)拉致事件に衝撃を受け、以来、高校時代には、韓国民主化闘争に関する本、例えば、岩波新書の『韓国からの通信』を読んだり、歴史に興味があったので、司馬遼太郎、金達寿、上田正昭がやっていた「日本の中の朝鮮文化」シリーズを読んだりして、政治にも歴史にも興味を深めていったのです。
立命館大学では歴史学を志し、韓国近現代史を専攻しました。立命館の職員として働き始めてからも、立命館大学は韓国の大学との初めての連携を模索するときの訪問団として、私も初の訪韓を果たしました。
また、市民運動として取り組んでいた「平安建都1200年映画をつくる」会の事務局長として、徴用した朝鮮人たちを終戦後すぐに無理やり帰還させようとした船が謎の爆沈を遂げる、戦後2番目の海難事件・浮島丸事件を題材にした映画『エイジアンブルー』制作に携わりました。
そして、APU開学準備で、韓国の募集責任者となり、頻繁に韓国を往復しました。おそらく今日までに韓国は300回以上は訪問しているでしょうね。
Q:新大学の学部に、日本初の「現代韓国学部」(仮称)構想、韓国文化に目を付けたのは慧眼だと思います。
今村学長:学長として、佐賀女子短期大学に赴任することになって、そこに「韓国語・文化コース」があると知ったときは、驚きました。また韓国か・・・みたいな。
このコースの売りは、高いレベルの韓国語学習で、どんどん韓国に留学できる。短期も交換留学も、そして卒業後、韓国の4年生大学への編入学もできるということです。実績を積み重ねているので、全国から学生が集まります。この韓国留学への道は、コースだけではなく、保育など、すべてのコースにも機会があります。
この韓国語・文化コースがあったからこそ、「現代韓国学部」(仮称)が構想できたのです。