佐賀大学 兒玉 浩明学長インタビュー[後編]
■HR交流会で学生と地元企業のマッチング機会を提供
--地域に優秀な人材を輩出していくにあたって、現時点での貴学の方針や構想をご教示ください。
佐賀県に人材を輩出することは本学の役割の一つだと認識していますので、学生にはやはり佐賀県に残ってもらいたいです。本学には福岡県出身の学生が多く在籍しますが、毎年150名程度は佐賀県で就職しています。また全体で言えば、2022年度は、1学年約1,300名のうち、250名ほどが佐賀県の企業に就職しました。
その一方で、佐賀県に人材を輩出しにくいのには、さまざまな理由があるのも事実です。例えば、大規模に大卒者を採用する企業が多くないことや、本学で学べるさまざまな学問分野に相当する就職先があまりないことが挙げられます。こうした部分を我々だけの力で何とかするのは、正直難しいです。
しかし、最大の課題は、学生が地元の企業を知らないことです。この課題を解決すべく、企業と学生がマッチングするための機会の提供を、試行錯誤しながら行なっています。HR(Human Resources)交流会がその一つです。
--HR交流会、非常に良い取り組みだと思いました。
低学年の時からそのような会を実施したり、学生がインターンシップを県内で受けてくれるよう情報提供をしたりしています。しかしながら、インターンシップを実施するのが難しい企業があるのも実情です。そうした企業に対しては、本学のキャリア担当職員が訪問し、「お宅の会社でしたら、こんなメニューを作るのはどうですか」といった提案をするなどして、学生と企業とのふれあいの場をつくるようにしています。