
グロービス経営大学院 君島 朋子 研究科長インタビュー
授業の「満足度指標」と徹底した改善文化
--教室が実践のフィールドになっている点は、まさに専門職大学院の理想的な姿ですね。教育と社会実装が地続きになっているエコシステム、実践的なサポート体制が圧倒的で、実際にIPOに至るような起業実績までもある。学生満足度については、どのような指標をお持ちでしょうか。
君島研究科長:グロービス経営大学院では、「提供価値」を可視化し、磨き続ける文化が根付いています。そのため、学生が「本当に変わった、成長できた」と実感してくれるかどうかが、我々にとって最も重要な指標なのです。
それを具現化するため、開学以来、全ての授業、さらには入学式や卒業式といったイベントに至るまで、満足度アンケートを実施しています。その結果に基づき、常に改善を繰り返します。例えば、「授業内容の評価が低い教員は、もう一度必要なトレーニングを受けてもらう」という厳しい仕組みも運用しています。全ては学生の成長のために、我々が提供する授業を進化させ続けることを重要視しているからです。
--大学としては非常に珍しい「授業の改善サイクル」。教育を価値提供と捉える姿勢は、多くの大学が学べるポイントですね。それは教員に対しても非常に高い要求水準となりますね。
実務経験者のみを教員に──真の専門職大学院としての矜持
--教員の採用やFD(教員の育成)はどのようにされているのでしょうか。
君島研究科長:そこには、明確な方針があります。まず、実務経験のない教員は採用しません。実践力のある人材を育てることが目的なので、教員自身がビジネスの現場を知っていることが大前提です。
そして、採用後も手厚いFDを行います。新人教員には必ずベテラン教員がつき、教育手法について徹底的にトレーニングをします。厳しいプロセスだと思われるかもしれませんが、学生の成長にコミットするプロフェッショナルとして当然のことだと考えています。
本学の学生の成長にコミットする姿勢が、教員にとって大きなやりがいになっていることも確かです。それぞれのクラスを見ていると、学生が数ヶ月で見違えるように成長する姿を目の当たりにできます。たとえば財務諸表を読めなかった学生が、数ヶ月後には堂々と企業の財務戦略を語るようになる。その目に見える変化と、学生からの「学んだおかげで、実務の場面でこんなことができるようになりました」などという直接的な感謝の声が、教員にとって大きなやりがいにつながっています。

――「専門職大学院とは何か」を体現されていますね。教育の質を提供価値としてこだわる姿勢に強い一貫性を感じます。
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