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  • 国際紛争、大規模災害、少子高齢化など、厳しい状況の中で新しい道を拓くための人材育成・社会貢献に資する大学への期待は大きい。真摯に改革に取り組む大学トップの声を紹介する。

甲南大学 中井伊都子学長 インタビュー[後編]

地域への還元は大学の使命

まさにおっしゃっていただいたような理由で、リカレント教育に力を入れていきたいと考えております。それは高等教育機関としての大学の使命です。

他方、本学の特徴として、実はこの岡本の地で105年前に旧制中学校がスタートしていることが挙げられます。もとの中高は、現在、芦屋に移り、ここ岡本には大学が建てられましたが、やはりこの地で105年間やってきた教育機関としては、地域の方々に、「あってよかった、甲南大学」と言っていただきたいです。

アントレプレナーシッププログラムも実施しておりますが、これもITビジネス等を視野に入れたものというよりは、むしろローカルビジネスに視点を置き、例えばこの地域の方々で、子育てが落ち着き少し時間ができたので、地域に何か還元したい、とお考えの方々などをターゲットとして設置しています。

こうした点を行政も支援してくださっています。やはり、甲南大学はこの地にあってこそだと思いますので、この地域に軸足を置き、これからもさまざまなプログラムを増やしていきたいです。 

事業構想大学院大学、神戸の情報大学院大学は、本学が持っていない知見をお持ちですので、連携させていただくことで、本学の新たな可能性が拡がると考えています。

また、情報大学院大学は専門大学院であり、大学のようなキャンパスをお持ちではありません。そのため、多くの留学生の方を含む在学生の中には、学生生活を十分にエンジョイできない方もいらっしゃるとお聞きしました。そこで、先方の学生さんに本学へ来ていただいて、一緒に課外活動をしたり、留学生の方々が本学の体育会の学生と合気道をしたりするなどの交流も行なっています。人的な交流を中心に、双方の不足している部分をこの神戸の地で補い合っているのです。

現在、本学の正規留学生はアジア地域出身者の割合が高いですが、人数が十分とは言えません。そのため、例えば1年だけの交換プログラムで欧米から来ているような学生が、帰国後に「甲南はよかった」と言って、正規留学生として再び本学に来てくれるような展開があると、たいへん嬉しく思います。当然来やすいという意味ではアジアもしっかり開拓していきますが、欧米からも、2度目の日本と言いますか、もう一度帰ってきてくれる、そういう甲南ファンを増やしていきたいです。


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