学生中心で進化する大学教育DX 学びの楽しさを核に

大学間の連携にもプラットフォームが使える

竹川:そうですね。もっと言うと、本当はそういったものをいろいろな大学間で、クロスで活かせるようになるとよいと思っています。

半導体研究を例に挙げれば、前工程が強いのはこの大学、後工程で特色があるのはこの大学、先端素材の研究開発はこの大学、というそれぞれの強みがあるはずです。各大学で同じような講座を、それぞれ別々の先生がやっていても、社会全体から見るとあまり効率的ではないと思うのです。そうではなくて、この講座では、この大学のコンテンツを活かす、という形で複数の大学のカリキュラムを組み合わせて授業を行なうようなことができるようになるのが望ましいと思います。

竹川:同じような例が、10年以上前にカリフォルニアで行われていました。カリフォルニア州内の一部の大学同士で、ジェネラルエデュケーション(一般教育科目)を共通化したのですね。そのときは、各大学から科目ごとに、「この人ぞ」という先生に出て来てもらって、非同期のオンライン教材にして、共通プラットフォームに載せていました。

さらに、それを各大学で学生にファシリテートするための人材のためのティーチング・トレーニングのプログラムも作って、教材とともにパッケージにしていました。当時は、それを中東などの、お金はあっても、まだ教育システムが十分には整備されていない国に提供を試みたりもしていました。

竹川:そうですね。将来的には、大学とそのようなコラボができたら、という話は社内でもしています。私たちには、これまで作ってきたコンテンツやシステムがありますから、まさに今の山梨大学のような事例で協力させていただいて、発展させられたらと思います。

ところで、最近、先に述べた「Coursera」の導入先として最も伸びているのがどのセクターかご存じでしょうか? 実は、大学向けの導入が一番伸びているのだそうです。これは、例えば、欧米で知名度に劣る大学や、アジアやアフリカなど新興国の新しい大学で、一定程度の単位にあたる講座をCourseraで受講させている、ということがあるからだそうです。

つまり、技術革新が目まぐるしい昨今、特にAI・デジタル分野などの専門の内容を教えることについては、その分野の第一人者や、その分野を教えることが得意な先生の授業に任せるということが世界では標準になってくる可能性があります。日本が遅れを取ってしまうことがないといいのですが。

竹川:まさにそうだと思います。そして、それが最終的には学生が一番のクライアント=Student is No.1につながることになるでしょう。

(次ページに続く)

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