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大学入学者選抜の変更における2年前予告を考える(前編)

2 適切な予告の時期

まずこの2年程度の2年が入試年度あるいは実施年度のどちらから遡って2年前となるかについて考えたい。大学入学者選抜要項は,入試年度を基準として毎年発出される。そうであれば,令和6年度(2024年度)入試の場合,令和4年度(2022年度)中と考えることが妥当であろう。よって,令和6年度入試を受験する高3生の場合,彼らが高1時に各大学から予告を受けることになる。

しかし,これは想定の域に過ぎないため,やはり高等学校の実態に即して予告することが入学志願者保護に繋がるものとして考えたい。

高校生は1年次に文理選択を行うことが一般的である。ほとんどの高等学校では,1年次の夏休み前後に文理選択(あるいはコース選択)に関わる面談や志望調査を行い,同年の11月頃に最終的な文理選択を決定している。年内に決めておかなければ高2生からの教科書の必要数(文系・理系で必要数が異なる)を高校側で集約できないことも背景にある。

こうした実態に大学側は十分配慮する必要がある。自分が進学したい大学の入試科目などの情報を知ることなく文理選択を迫られることは高校生にとって不利益である。また,大学にとっても早期から学習対策を講じてもらうことはマイナスにはならないはずだろう。

よって,新課程入試に当てて考えれば,令和4年度(2022年度)中ではなく,遅くとも令和4年度の秋頃までに予告を行うことが最も適切な時期と言える。また,令和2年(2020年)に開催された「大学入試のあり方に関する検討会議(第1回)」においても,令和6年度(2024年度)実施分の変更(補足:入試年度であれば令和7年度(2025年度)入試の変更となる)について,当時の文部科学省大学振興課長から,令和3年度(2021年度)の夏頃の文部科学省の予告後,各大学で1年間の検討を経た上で,その翌年の半ばには入試内容を明らかにする必要がある旨の発言がみられている(当会議議事録より)。このことは受験生への配慮とも考えられ,それを裏づけているとも言える。

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