
2027年開校「ドルトンX学園」が提示する日本初教育モデルの全貌
2.日本初の教育モデル:ミネルバ大学に学ぶ「境界を越える」学び
伝統的なキャンパスを持たず、4年間で世界7都市を巡りながら学ぶ ―ーー 「世界で最もイノベーティブな大学」とも評される米国のミネルバ大学。ドルトンX学園は、このミネルバ大学の教育モデルの本質を、日本の高校教育に初めて導入する画期的な試みである。その目的は、学校の内と外、国内と海外、学校と地域社会といったあらゆる「境界を越え」、社会と世界に直結した学びを実現することにある。
この日本初のハイブリッドモデルの核心は、オンラインとオフラインの学びを戦略的に融合させる点にある。
高品質なオンライン学習
場所の制約を受けないオンラインの特性を最大限に活用。国内外の第一線で活躍する専門家や多様なバックグラウンドを持つ大人たちと繋がり、高度な教科学習を効率的に進める。
地域拠点での探究学習
現地現場に身を置き、五感をフル活用することでしか得られない学びを重視。リアルな地域課題や社会問題に当事者として向き合い、机上では決して得られない実践的な知恵と経験を培う。生徒たちはこのハイブリッドモデルの中で、以下のような3年間の学びを経験することになる。
高校1年次:【準備と基盤形成の年】
岩手県一関市の本校と、東京都調布市のNTT中央研修センターに半年ずつ滞在。この期間は、探究活動の基礎となる思考力や表現力、そして共同生活を送る上での生活力を徹底的に育成する準備期間と位置づけられる。研修センター滞在時には、併設された実証フィールド「NTT e-City Labo」で先端テクノロジーに触れる学びも予定されている。


高校2年次:【探究と挑戦の年】
ドルトンX学園の学びの核心となる1年間。生徒は自らの探究テーマに基づき、3ヶ月を1単位として国内外の拠点を最大4ヶ所巡る。午前中はオンラインで質の高い教科学習に集中し、午後はそれぞれの地域へ飛び出してフィールドワークやプロジェクトに取り組むという、知識・知恵と実践がダイナミックに連動する日々を送る。


高校3年次:【集大成と飛躍の年】
再び本校と研修センターに戻り、2年次で深めた探究活動の集大成に取り組む。同時に、国内外の大学進学に向けた準備に専念する。特に海外大学進学希望者に対しては、ケンブリッジ国際カリキュラム(A-Level)の導入が計画されており、ネイティブ教員による英語での専門科目指導など、世界標準の教育環境が提供される予定だ。
生徒たちの学びの舞台となる地域拠点は、国内外の多様性に富んだ地域が選定されている。例えば、以下の地域ではリアルな課題解決学習が既に企画されている。

国内拠点
・岩手:震災復興、自然エネルギー、多様な歴史文化
・東京:最先端技術、多様な人々との出会い
・沖縄:海洋研究、独自の文化探究
・徳島・京都:伝統文化、地域創生プロジェクト
海外拠点
・マレーシア、ベトナム、インド:アジアのダイナミズムとソーシャルイノベーションを経験する。先行プログラムでは、インドでソーシャルイノベーションをテーマに、交通インフラや河川や湖水の水質汚染の課題解決について学んだという実績がある。
・エストニア、イギリス:欧州の歴史、先進的な社会システム、ヨーロッパで進むAI・ロボティクス、日本とヨーロッパの芸術
・アフリカ(検討中):都市と僻地の医療の最前線、多様な文化接点、未知の可能性を秘めた経済成長の可能性
この教育モデルは、単に知識を詰め込むためのものではない。生徒が自らの足で世界と繋がり、リアルな課題解決に挑む中で、真に生きる力を養うための画期的なプラットフォームとなりうる可能性を秘めている。
では、この刺激的な環境は、一体どのような生徒を求めているのだろうか。
(次のページに続く)


