オピニオン/研究

複雑・多様化する社会の構造的な課題を提起し、これからの高等教育のあるべき姿などを問い、課題解決の方法を提言していく。

大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部 インタビュー[後編]

eスポーツプロジェクトの発足

OIT esports Digital Area | 学部入試 | 大阪工業大学 ADMISSION

井上:eスポーツプロジェクトは、学生の課外活動をもっと充実させたいという思いに端を発するものです。ここ梅田キャンパスは都心に立地し、かつ、運動場は別のキャンパスにあります。そのため、残念ながら梅田キャンパスではいわゆる体育の授業が実施できません。しかし、スポーツというものをもう少し広く捉え、他者と競ったり、自身の能力を高めたりするものだと考えると、eスポーツには学生の課外活動を強化する可能性があると思いました。

したがって、我々はeスポーツを単なるゲームとして捉えてはいません。ゲームはメタバースやデジタルツインといった最新テクノロジーの凝縮です。大学がこうした施設を作る背景には、ゲームやeスポーツという切り口から、学生たちの興味を最新テクノロジーにつなげるという意図があります。実際、本学の卒業生は、バーチャルリアリティ系の企業や、プログラミングを担当するような部門へ就職していたりもしますので、そうしたところにつなげていきたいです。

ただし、これはあくまでも一プロジェクトであり、eスポーツの学科ができるのでも、eスポーツについて学べる授業が増えるということでもありません。そのため当初は、「このプロジェクトを立ち上げて学生はどれくらい集まるだろうか。10~20人くらいだろうか」と予想していたのですが、実際にふたを開けてみると、70人を超えていました(2024年9月時点)。学生の注目度の高さをひしひしと感じています。

 

大阪工業大学 梅田キャンパス
(写真提供:大阪工業大学)

また、eスポーツ施設の新設をきっかけに、本学とNVIDIA(エヌビディア)合同会社との間で連携協定が結ばれました。本学のeスポーツ施設「OIT esports Digital Area」に導入した高性能ゲーミングPCにはすべて、NVIDIA社の最新GPUが搭載されています。さらに、NVIDIA社が開発している統合3次元仮想空間システム「NVIDIA Omniverse(オムニバース)」を活用した最先端デジタルツインの実験場「メタバース実験フィールド(仮称)」も、開設に向けた準備が進行中です。本連携をもとに、eスポーツを通じた企業と学生とのコミュニケーションの場をつくり、本学の教育研究活動をさらに高度化していきます。

エヌビディア合同会社と包括連携協定を締結しました|トピックス | 大阪工業大学 (oit.ac.jp) 

「OIT esports Digital Area」オープニングイベントを開催しました|トピックス | 大阪工業大学 


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