
武蔵野大学、通信教育部国際データサイエンス学部を2026年4月開設

左から データサイエンス学部清木学部長、(株)Customer Perspective代表取締役紣川氏、小西学長、デジタル庁参事官浅岡氏、データサイエンス学部石橋教授
武蔵野大学(学長:小西聖子氏)は、2026 年4月に通信教育部国際データサイエンス学部(MIDS)を開設する。開設に先立って1月27日、武蔵野大学有明キャンパスで記者発表会が開催された。
記者発表会では、小西学長の挨拶に続いて、同大学データサイエンス学部学部長で国際データサイエンス学部学部長に就任予定の清木康教授が、国際データサイエンス学部の概要と教育目標を紹介。続いて通学制のデータサイエンス学部2年生の学生と海外協定校のモンクット王工科大学(タイ)の学生による研究発表が行われた。
その後、小西学長、清木学部長にデジタル庁参事官の浅岡孝充氏と、株式会社Customer Perspective代表取締役の紣川謙氏を交えて、「データサイエンスの力で世界の諸課題に立ち向かう」をテーマとするトークセッションが行われた。ここでは、データサイエンスという「共通言語」を用いて、「ローカルな現場の知」を「グローバルな価値」へと昇華させ、世界の諸問題に対する具体的な解決策をデザインすることへの期待と、そのための教育のあり方が議論された。
武蔵野大学は、2019年、日本の私立大学として初めてデータサイエンス学部(以下、MUDS)を設置した。MUDSのカリキュラムは、1年次から実際の研究プロジェクトに参画して実践の中で必要な知識を吸収していく「研究体験連動型学習」を核とする。この研究体験連動型学習で、学生は自分を取り巻く環境や関心領域から自ら課題を発見し、その解決のために必要なデータ分析の手法やAIアルゴリズムを、後追いの形で習得していく。これによって、データサイエンスの知識やスキルを、問題解決のための実践的な知恵として身に付けるとともに、実体験を通して「問いを立てる力」が育つことをめざす。
国際データサイエンス学部(以下、MIDS)においても、この研究体験連動型学習のカリキュラムは基本的に共通であるが、MUDSが有明キャンパスを中心としたオンサイトの学習であるのに対して、MIDSでは学生の居住地でのオンラインの学習となる。このため、働きながらの学習や海外居住者の就学に広く門戸を開くことになる。

国際データサイエンス学部 開設に関する記者発表会資料より
MIDSのカリキュラムは、「AI社会創造」と「解析的社会創造」を両軸として、「AIアルゴリズムデザイン」「AIクリエーション」「ソーシャル・イノベーション」の3つの専門領域を展開する。学生は、この3つの領域から、主専攻と副専攻として2つを選択することによって一人ひとりの研究課題やキャリアに合わせた柔軟な専門性の構築が可能になる。単なるデータ処理のオペレーターではなく、データサイエンスを武器に社会構造を再設計する人材育成の場として設計されている。

国際データサイエンス学部 開設に関する記者発表会資料より
MIDSが、プラットフォームとして通信制教育を選択したのは、単なる効率重視の受け身的なオンライン学習の場としてでなく、物理的距離を超えた現場との共創環境で、地域の課題をテクノロジーで解決することを目指すためである。学生は、自らの生活圏に留まり、多様なライフスタイルを維持しながら、そこでの課題を発見し、実社会のビッグデータや最新技術を駆使して環境問題や文化保護などの多様な分野の問題解決に挑む。個人の学びに加えて、オンラインでの研究交流や、必要に応じたオンサイトのスクーリングや研究成果発表も行う。
さらに、同大学が持つタイ、インドネシア、英国等の広範な連携大学との間で、独自開発の日・英・タイの3言語自動翻訳システムや、ダブルディグリーを視野に入れたプログラムを構築している。学生は世界のどこにいても実社会のビッグデータにアクセスして、国境を越えた学生同士の共同研究や交流を行ったり、研究成果をグローバルに発信する能力を習得したりすることができる。つまり、サイバー空間上に、多様な国籍や背景を持つ学生が集い、ともに問題解決に挑む「グローバル・クラスルーム」が実現することになる。
トークセッションにおいて、紣川氏が「ローカルな解決策は、世界共通の課題に対する『横展開』可能な価値になる」と述べたように、様々な背景を持つ学生が身の回りの課題を持ち寄り、国や地域の枠を超えて協働して解決にあたることによって、「ローカルな知見がグローバルな知識につながる」という意識を初年次から培うことができる。これはまさに、武蔵野大学のブランド・ステートメントの「世界の幸せをカタチにする。」を具体化するものであり、新たなデータサイエンス教育の形としても注目される。
詳細は下記リンク先から確認できる。
■武蔵野大学国際データサイエンス学部(通信教育部)WEBページ
配布資料等は、下記リンク先にて確認することができる。
Author:小松原潤子(KEIHER Online 編集委員)
編集:阿部千尋(KEI大学経営総研 研究員)


