私立大学、定員割れ半数を超える 短大は9割が定員未充足(令和5年度調査)
日本私立学校振興・共済事業団の私学振興事業本部は、8月30日、令和5(2023)年度の「私立大学・短期大学等入学志願動向」を公表した。
対象となったのは、全国の大学、短大、大学院で、集計された学校数は、調査対象校から通信教育部のみを設置する学校及び募集を停止した学校を除いた数となり、以下の表のとおり。
集計校(増減) | 大学 | 短大 | 大学院 |
令和5年度 | 600校(+2) | 276校(-3) | 485校(+3) |
また、入学定員については以下のとおり。
定員数(増減) | 大学 | 短大 | 大学院 |
令和5年度 | 502,635人(+4,696) | 48,817人(-2,040) | 43,067人(+138) |
短大は閉鎖・統合が相次ぎ減少傾向にあるが、大学、大学院ともに、設置数は微増している。また、入学定員数も、短大は減少傾向、大学、大学院は増加傾向にある。18歳人口が減少を続けるなか、大学・短大・大学院すべての私立高等教育機関の入学定員は、増えていることになる。
一方、私大全体の「定員充足率」(=入学者数÷入学定員)は、大学院で50.87%(前年より3.170ポイント増)と少し改善が見られるものの、大学で99.59%、短大で71.99%となっており、過去最低水準となっている。
定員充足率 | 大学 | 短大 | 大学院 |
令和5年度 | 99.59% | 71.99% | 50.87% |
さらに、入学定員充足率が100%未満の学校は、大学で37校増加して320校であった。大学全体に占める未充足校の割合は53.3%となり、初めて半数を超えた。短大においては、入学定員充足率が100%未満は15校増加して254校であり、短大全体に占める未充足校の割合は9割を超え92.0%となった。
定員未充足校 | 大学 | 短大 |
未充足校数(令和5年) | 320/600校 | 254/276校 |
未充足校割合(令和5年) | 53.3% | 92.0% |
この報告書は、令和5年度「学校法人基礎調査」から、同事業団が、入学定員・志願者数及び入学者数等を集計し、入学定員充足率や志願倍率等の動向を規模別、地域別、学部系統別にまとめたもの。
報告書の詳細、および各年度の動向は、以下のリンクより参照できる。
私立大学・短期大学等入学志願動向|私学振興事業(助成業務)|私学事業団 (shigaku.go.jp)