共通テスト新科目「情報Ⅰ」
高校等の指導現場での不安は、指導体制の問題にも影を落としている。
かねてより、教科「情報」については、専門科として情報科の免許を有さない臨時免許状・免許外教科担任による指導体制に課題があることが指摘されていたが、状況は改善どころか、悪化の一途をたどっているように見える。
文部科学省の調査によると、臨時免許状または免許外教科担任者の数は、令和4(2022)年度には情報科を担当する教員4,756人中の796人に、また令和5(2023)年度には同4,411人中の192人にまで減少している。
文部科学省は、継続的に研修機会を提供するなどして、個々の教員の指導力向上に資する取り組みを充実させるよう、各都道府県の教育委員会等に促している。しかし、高校現場が指導に対する充実感を得るには至っていない。
https://www.mext.go.jp/content/20231227-mxt_jogai01-100013301_1.pdf
共通テストの科目となった「情報Ⅰ」は、Society 5.0の到来に対応するために導入された。「情報Ⅰ」の導入で、情報技術を適切かつ効果的に活用する力を身に着けることが期待されている。高大接続改革の架橋としてのテストはどのようにあるべきなのか。手探りの状態が続いている。
Author 福島聡華(KEIアドバンス)