KEI BOOK CLUB

高等教育関連の新刊書を中心に、さまざまなジャンルの書籍を紹介するコーナー

『教育社会学・入門 子どもと学校のとらえ方』広岡義之 監修、冨江英俊 編著(ミネルヴァ書房刊)

子どもをとりまく社会、格差や社会的包摂など、基本的かつ多角的なテーマから、教師をめざす人が大切にしたいとらえ方を描き出す。

■本の内容

教職課程コアカリキュラムに対応した教育社会学のテキスト。子どもをとりまく社会、道徳教育を含めた社会化の装置としての学校、格差や社会的包摂など、基本的かつ多角的なテーマから、教師をめざす人が大切にしたいとらえ方を描き出す。
[ここがポイント]
◎ 教職課程対応の教育社会学のテキスト
◎ 道徳教育を含めた、社会化の装置としての学校について丁寧に学ぶことができる


■監修:
広岡義之(ひろおか よしゆき)
神戸親和大学教育学部・同大学院特任教授

■編著者:
冨江英俊(とみえ ひでとし)
関西学院大学教育学部教授。修士(教育学)。主著に『スタディスキルズ・トレーニング改訂版――大学で学ぶための25のスキル――』(共著,実教出版,2017)『教育の理念と思想のフロンティア』(共編,晃洋書房,2017)『改訂版 道徳教育のフロンティア』(共編,晃洋書房,2019)など。


目次

監修のことば

はじめに

第1章 教育社会学の学問的特徴
 1 教育社会学はどのような学問か
 2 教育社会学における教育問題のとらえ方
 3 教育実践へとつながる教育社会学

第2章 変容する家族・地域社会の実態と子どもへの影響
 1 家族の教育的機能と変容
 2 地域社会と家族の変容

第3章 ICTの普及が子どもに与える影響――メディア論の観点から
 1 ICTの普及と生活環境・居場所の関係
 2 子どもたちの発達や成長における影響
 3 ネット社会に生きる子どもの人間関係とネットいじめの実態
 4ICTを活用する

第4章 子どもの規範意識・道徳意識の形成――道徳教育の教育社会学的考察
 1 道徳教育をどのようにとらえるか
 2 教育社会学の視点から現在の道徳教育を分析する
 3 社会学的視点からの道徳教育充実への課題

第5章 近代学校という装置――「義務教育」とその先
 1 近代社会と義務教育
 2 「教育は価値あるもの」という認識の広がり
 3 近代教育と新中間層

第6章 人材配分機構としての学校――「学歴社会」の実態と理論
 1 近代化と学歴社会
 2 戦後の教育制度改革と学歴社会
 3 学歴社会の理論

第7章 学校教育のなかの職業教育
 1 学校制度と職業教育の位置づけ
 2 高校と高専の専門学科の実態
 3 青少年の進路・職業選択
 4 学校から職業への移行
 5 これからの職業教育の在り方

第8章 教育格差の社会学
 1 教育格差とは何か
 2 教育達成の不平等
 3 教育格差,この百年の歴史
 4 メリトクラシーへの疑惑と再生産論
 5 教育費問題と親負担主義

第9章 学校と地域の連携・協働――「地域の教育力」と子どもの成長
 1 学校と地域の今日的課題
 2 学校と地域の連携・協働の重要性に関するデータ
 3 子どもと地域の「つながり」をつくる学校と地域の協働

第10章 社会的包摂と教育――外国にルーツをもつ子どもの教育に焦点をあてて
 1 多様なマイノリティと教育上の不利
 2 外国にルーツをもつ子どもの教育の現状
 3 外国ルーツの子どもの社会的包摂にむけた学校づくり
 4 外国ルーツの子どもを支える公立学校の事例

第11章 教師の社会学
 1 教師とは何か――教師? 教員? 教諭?
 2 統計でみる日本の教員――性別・年齢
 3 教員のアイデンティティと教員養成
 4 教師はなぜ大変なのか

第12章 学校安全
 1 学校安全の概要
 2 犯罪被害の事例と防止の取り組み
 3 災害安全に関する取り組み――地震災害を中心に

索引


定価 2,750円(税込)
刊行日 2025年9月30日

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