KEI BOOK CLUB

高等教育関連の新刊書を中心に、さまざまなジャンルの書籍を紹介するコーナー

『授業づくりと授業研究に活かす 学習科学入門』 河野麻沙美・河﨑美保 著(北大路書房刊)

学習科学の理論は,授業づくりや授業研究にどう役立つか。「主体的・対話的で深い学び」を教育現場に実現する道筋をガイド。

■本の内容

人の学びを探究し、学習環境をデザインする学習科学。生成AIの教育利用など学びのあり方が根本から問い直される中、学習科学の知見を現場の教育実践にどう活かせるか。「主体的・対話的で深い学び」を学習科学の理論で読み解き、授業づくりや授業研究に実現する道筋をガイド。教員研修のテキストとしても活用できる。


■著者:
河野麻沙美(かわの まさみ)
上越教育大学学校教育研究科准教授。教育学博士(東京大学)。専門は教育方法学。2007年~2008年日本学術振興会(東京大学)特別研究員(DC2,PD)。2008年東京大学大学院教育学研究科付属学校教育高度化センター助教。2011年同大学海洋教育促進研究センター特任講師。2013年上越教育大学学校教育研究科(研究院)講師を経て、2017年から現在同准教授。

河﨑美保(かわさき みほ)
静岡大学教育学部初等学習開発学専攻准教授。教育学博士(2011年京都大学)。専門は教育心理学。2014年追手門学院大学講師を経て現在静岡大学教育学部初頭学習開発学専攻准教授。


目次

刊行に寄せて
本書のトリセツ

第1部 学習科学への招待

第1章 「学び」を探究するワケ
 1.1 なぜ“How People Learn”か?
 1.2 人はどのように「学ぶ」のか
 1.3 何が「学び」を生み出すのか

第2章 「学び」が意味するコト
 2.1 獲得メタファの学び
 2.2 参加メタファの学び
 2.3 「学び」の理解はどのように変わってきたか

第3章 今求められる「学び」
 3.1 知識創造メタファの学び
 3.2 知識構築の学び
 3.3 知識構築を実践する

第2部 学習指導要領への学習科学的アプローチ

第4章 深い学び:資質・能力の3つの柱を「バランスよく育てる」とは
 4.1 熟達化
 4.2 生産的失敗
 4.3 メタ認知

第5章 対話的な学び:何のための対話・協働か
 5.1 建設的相互作用
 5.2 学習共同体
 5.3 CSCL
 Column リフレクティブディスコース(省察的談話)

第6章 主体的な学び:主体的であるとはどういうことか
 6.1 自己調整学習
 6.2 社会共有的調整学習
 6.3 shared epistemic agency
 Column 実行機能

第7章 何のための探究か
 7.1 探究学習で理解が深まるとは
 7.2 探究学習をどのように設計するのか
 7.3 探究に協働は必要か
 Column 総合的な学習の時間における「探究の過程」を再考する

第3部 学習科学で生み出すこれからの学び

第8章 「学び」を探究する方法論
 8.1 学習科学の独自の研究方法:DBR
 8.2 学習科学の独自の研究方法:DBIR
 8.3 学習科学を参照した授業研究の改善事例

第9章 「学びの探究」入門
 9.1 探究の心得:先行研究を読む
 9.2 探究を形づくる:計画・実践・まとめのポイント

付録:本書を使った学び方
引用文献
索引


定価 2,640円(税込)
刊行日 2025年10月22日

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