KEI BOOK CLUB

高等教育関連の新刊書を中心に、さまざまなジャンルの書籍を紹介するコーナー

『AIを外国語教育で使わない選択肢はもうない』 大木充・小田登志子・岩根久 編(ひつじ書房刊)

■本の内容

本書は外国語教育にAIの導入を推奨するものだが、そのスタンスは「始めにAIありき」ではない。指導者は、自分の担当科目でAIを用いる必然性があるのかどうかを問うてみる必要がある。その点を踏まえた上で、本書は、AIを用いることに対して指導者の抱く不安が杞憂にすぎないことを示し、「教育現場でのAIとの共生・協働」を議論する。


■編著者:
大木充(おおき みつる)
三重県出身。京都大学名誉教授。
(主著・主論文)『 CEFR-CV の「仲介」と複言語・複文化能力』(凡人社、2024、共編著)、『AI で言語教育は終わるのか?―深まる外国語の教え方と学び方』(くろしお出版、2025、分担執筆)、Apprentissage du français: Identité sociale et recherche du soi ideal(Le Langage et l’Homme 2016-2)など。

小田登志子(おだ としこ)
愛知県出身。東京経済大学全学共通教育センター教授。
(主著・主論文)『 英語教育と機械翻訳―新時代の考え方と実践』(金星堂、2023、共編著)、Indirect Strategy and Interpretive Economy in Phrasal Yorimo and Bǐ-Comparatives (Journal of Cognitive Science 25(1), 2024) など。

岩根久(いわね ひさし)
大阪府出身。大阪大学名誉教授、大阪大学D3センター招聘教授。
(主著・主論文)『 フランス語動詞完全攻略ドリル』(白水社、2021、共著)、『アクティブラーニング型授業としての反転授業[実践編]』(ナカニシヤ出版、2017、分担執筆)、「イタリアソネットの自動押韻ラベル付与―ペトラルカ『カンツォニエーレ』のソネット」(『人文学データのマイニング(統計数理研究所共同研究リポート322)』統計数理研究所、2014)など。


目次

はじめに

第1章 AIを外国語の教育・学習で使わない選択肢はもうない
大木充

第2章 実践1:AIとのはじめの一歩
岩根久

第3章 外国語教育・学習のためのAIリテラシー
大木充

第4章 AIとCEFR
大木充

第5章 AIとフレーム問題、記号接地問題、身体性
田中彰吾

第6章 AIの現在から未来へ:AIを用いるこれからの時代の外国語教育
杉山滉平

第7章 実践2:AIでさらに一歩先へ

AIと共存する英語ライティング課題と評価方法
小田登志子

機械翻訳・生成AIを活用したライティング
藏屋伸子

中国語観光プロモーション動画制作のプロジェクト学習
杉江聡子

AIによる英語ライティング評価
河内健志・斎藤隆枝・安保勲人

AI時代に求められる外国語能力と教育とは?
杉山香織

AI×教育:活用と課題をめぐる座談会
第7章執筆者一同

第8章 特別企画:鳥飼玖美子先生が語る次世代のための英語教育
話し手:鳥飼玖美子 聞き手:小田登志子

おわりに

執筆者紹介


定価 2,860円(税込)
刊行日 2025年8月25日

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