
「国際卓越研究大学」の第2期公募に8大学が申請
文部科学省は5月20日、世界トップレベルの研究力をめざす「国際卓越研究大学」の第2期公募に8大学から申請があったと発表した。申請したのは受付順に、大阪大学、京都大学、早稲田大学、東京大学、九州大学、東京科学大学、筑波大学、名古屋大学である。
認定された場合、科学技術振興機構(JST)が設置する10兆円規模の大学ファンドの運用益から、1校あたり年間数百億円の助成を最長25年間受けることができ、海外の優秀な研究者の招聘や研究環境の整備など、世界に伍する大学となるべく研究体制の強化を行うことになる。
国際卓越研究大学の対象は、全体で「数校」とされている。2022年度に最初の公募が行われ、10校が申請して2024年11月に東北大が第1号に認定された。今年2月に初年度分として、約154億円の助成が実施されている。
文部科学省は、選定にあたって大学経営に詳しい専門家や産業界に精通した国内外の有識者11人によるアドバイザリーボードを設置。6月以降、書類審査や各大学へのヒアリング、現地視察などを経て段階的に候補を選び、2025年冬頃までに新たに大学を認定して、2025度中には助成を開始する計画となっている。

大学ファンドを通じた 世界最高水準の研究大学の実現に向けて ~国際卓越研究大学の第2期公募開始について~(画像引用元以下同)
申請にあたっては、「国際的に卓越した研究成果を創出できる研究力」「実効性高く、意欲的な事業・財務戦略」「自律と責任のあるガバナンス体制」を要件とし、制度の趣旨や大学の負担も考慮して、大学認定と計画認可の審査プロセスを一体的に実施する、とされている。これまでの実績や蓄積のみで判断するのではなく、世界最高水準の研究大学の実現に向けた「変革」への意思(ビジョン)とコミットメントの提示が重視されるのである。
阿部俊子文科相は、20日の閣議後の記者会見で「国内外の若手研究者を引きつける魅力的な研究環境を実現する大学を選定したい」と話している。

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文部科学省 国際卓越研究大学制度と第2期公募について
Author:小松原潤子(KEIHER Online 編集委員)