
文部科学省 令和7年度「大学の世界展開力強化事業」~グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援~選定結果を決定
文部科学省は、2025年9月30日、令和7年度大学教育再生戦略推進費「大学の世界展開力強化事業」~グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援~の選定事業を決定したことを公表した。32件の申請のうち、12件が選定されている。
「大学の世界展開力強化事業」は、国際的に活躍できるグローバル人材の育成と大学教育のグローバル展開力を強化するため、高等教育の質の保証を図りながら、日本人学生の海外留学と外国人学生の受入れを行う国際教育連携の取組を支援する事業。文部科学省において、2011年度より実施されている。2025年度は、「グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援」として、日本とグローバル・サウス(特にインドおよびアフリカ諸国)の大学との間で、質の保証を伴った交流プログラムを実施する事業に対して支援が行われる。
2025年3月31日に各国公私立大学長宛てに公募を通知。5月23日に締め切ったところ、32件(インド:14件、アフリカ:18件)の申請があったという。その後、日本学術振興会に設置された「大学の世界展開力強化事業プログラム委員会」における審査を経て、9月30日、12件(インド:7件、アフリカ:5件)の選定事業が公表された。選定大学は下表の通りである。


日本学術振興会 令和7年度大学の世界展開力強化事業審査結果 より
本事業の対象となるプログラムには、以下の3つの取り組みを一体的に行う、先導的なものであることが求められる。
① 質保証を伴う国際交流プログラムの構築・実施
② 当該プログラムを通じた、大学全体の国際通用性のある体制の構築
③ 補助事業終了後のプログラム自走化のための財務改革
それぞれ具体的に、①では、質・量の両面で、対象地域との交流を一段と活性化させるために、大学や地域の強み・特色を活かした国際共同学位カリキュラムの構築や、履修証明の発行などを体系性の高い水準で確保することのほか、学生が安心してプログラムに参加できたり、交流する相互の学生の将来のキャリア形成につながる計画であることが求められていた。
②では、学修歴証明のデジタル化など教育DXの推進や、留学生の受け入れなどにおける安全保障防衛機管理の強化のための取り組み、プログラムに参加した学生の学修成果を可視化し、更なるプログラムの高度化につなげるための調査・測定方法の検討などが挙げられている。
③では、「国内外の企業・団体等からの寄附や教育研究経費、人員派遣等の受入れ、学内経費の適切な配分等によるプログラムの運営経費及び参加学生への奨学金等の充実を図ること」のほか、プログラムの自走化や留学モビリティの拡大には相応の負担が生じること、また、留学生へのきめ細やかな支援を持続的かつ安定的に行うという観点から、「関係する国内外の連携大学や学生等から適正な対価の徴収を図ること」が挙げられていた。

令和7年度「大学の世界展開力強化事業」~グローバル・サウスの国々との大学間連携高校流形成支援~公募事業の概要(案)より
詳細は下記リンク先にて確認できる。
・文部科学省 令和7年度大学教育再生戦略推進費「大学の世界展開力強化事業」~グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援~の選定事業の決定について
・日本学術振興会|大学の世界展開力強化事業|審査結果
・文部科学省 令和7年度大学教育再生戦略推進費「大学の世界展開力強化事業 ~グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援~」の公募について(通知)
・文部科学省 「大学の世界展開力強化事業」
・文部科学省 令和7年度大学教育再生戦略推進費「大学の世界展開力強化事業」~グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援~に係る公募説明会 資料・動画掲載
Author:小松原潤子(KEIHER Online 編集委員)
編集:山口夏奈(KEI大学経営総研 研究員)