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文部科学省

第2期「国際卓越研究大学」に東京科学大学と京都大学

文部科学省は、12月19日、国際卓越研究大学制度の第2期公募の結果、東京科学大学を新たに認定する方針を明らかにした。2026年4月より、体制強化計画が開始される。文科省の有識者会議(アドバイザリーボード)は、同大学の計画における、研究・教育体制の抜本的な改革に向けたビジョンが大学全体で共有されている点等を高く評価するとともに、大学統合を背景に医工連携の強力な推進を掲げた計画として、「日本の新しい大学のモデルとなることが期待される」とコメントした。

また、京都大学については認定候補とし、最長で1年間、体制強化計画案の磨き上げが求められた。歴史や伝統のある大規模な大学として一定の改革の困難性がある中、閉鎖的な部局小講座制から、研究領域を基本単位とするオープンなデパートメント制へ移行する意欲的な計画が、極めて挑戦的な改革構想であると高く評価された。一方、全学でのデパートメント制への移行等については途上であり、アドバイザリーボードで確認した上で、認定・認可の手続を経て体制強化計画開始することが適当と判断された。

東京大学については採否が保留された。最長で1年間、アドバイザリーボードによる審査が継続される。工学部を中心とした二つの新学部の設置、改革の駆動力となり得る新たな人事構想を含めた改革構想が、国際競争力と自律成長力の強化に向けたものとして評価される一方で、「コンプライアンス上の問題に対する法人組織としての対応は、国際卓越研究大学に求められている自律と責任のあるガバナンスの構成要素として重要である」と指摘された。なお、継続審査中に、法人としてのガバナンスに関わる新たな不祥事が生じたと判断された場合、審査は打ち切られる。

「国際卓越研究大学」の第2期公募には8大学が申請していた。申請した大学は、大阪大学、京都大学、早稲田大学、東京大学、九州大学、東京科学大学、筑波大学、名古屋大学である(受付順)。文科省の有識者会議が本年6月以降、書面審査のほか、現場の視察や面談などを通じて審査を実施してきた。

詳細は下記リンク先から確認できる
文部科学省|国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)による審査の状況を公表します

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■ 国際卓越研究大学制度

「国際卓越研究大学制度」とは、国際的に卓越した研究の展開、及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が見込まれる大学を「国際卓越研究大学」として認定し、当該大学が作成する国際卓越研究大学研究等体制強化計画に対して、10兆円規模の大学ファンドによる助成を実施するものである。

本制度の目的は、大学の機能拡張を推進し、大学が国際的な切磋琢磨を通じて研究力を向上させることにある。文部科学省は、世界トップクラスの研究者の獲得、次代を担う若手研究者の育成ならびに活躍のための大胆な資源配分、研究時間を十分に確保するための研究者の負担軽減、大学の有する知的資源の価値化等に取り組んでいくことが必要だと述べる。

(記事:山口夏奈)

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