
京都精華大学、発達障害特性のある学生を対象としたキャリア科目 「ソーシャルスキルトレーニング」を開講 2025年度10月より
学校法人京都精華大学(京都市左京区、学長:澤田昌人)は、9月3日、発達障害の特性があり、将来に不安を感じている学生に向けたキャリア科目 「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」 を新規開講すると発表した。全14回の講座で、開講時期は2025年10月1日(水)~2026年1月21日(水)。
講座新設の背景について、同大学のプレスリリースでは、「近年、全国的に大学在籍者の中でも発達障害の特性をかかえ、不安を感じる学生は増加傾向にあり、本学でも支援の重要性が高まっています。本科目は、発達障害の診断の有無にかかわらず、『コミュニケーション』『感情のコントロール』『スケジュール管理』『整理整頓』などに不安を抱える学生が、安心して社会に踏み出すために企画」されたと述べられている。
授業では、ロールプレイやグループワークを通じて、対人関係の築き方や社会的行動のコツを学ぶとともに、苦手を補う工夫を身につけることを目的とするという。
また、本講座は2025年度から始まった新カリキュラムの科目であるため、現2~4年生の履修は不可であるが、聴講制度を設け、発達障害や苦手なこと、就職活動に不安を抱えている上級生も参加できるよう配慮がなされている。なお、参加にも診断の有無は問わない。


■ プログラム内容(予定)
発達障害向け就労移⾏⽀援で⾏われているソーシャルスキルトレーニング(SST)のレッスンを中⼼に、専⾨家の講義、発達障害当事者の体験談講義、インプロビゼーションを使ったコミュニケーションワーク、アートセラピーワーク、グループ⾯談などを実施します。
■ 講義
(1)障害や特性への向き合い⽅について発達障害専⾨家の講義
(2)発達障害を抱えながら社会で活躍する卒業⽣の体験談講義
(3)発達障害の社会⽀援を知り、キャリアプランを考えるための講義
■ ワーク・面談
(1)特性と不安・困りごとを知るための⾃⼰理解ワーク・⾯談
(2)ストレスと感情のマネジメントレッスン
(3)コミュニケーションのコツを学ぶSSTレッスン
(4)アートセラピー(臨床美術)体験のレッスン
(5)⽣活や作業の苦⼿をカバーするSSTレッスン
(6)グループ活動やビジネスマナーを体得するSSTレッスン
■ ゲスト講師(予定)
発達障害・SSTの専⾨研究者の先⽣、社会で活躍されている発達障害当事者の⽅、発達障害者の公的⽀援を委嘱されている就労移⾏⽀援事業所の方々をゲスト講師に招き、困難を抱える学⽣に寄り添った指導・教育ができる体制を予定しています。
・太⽥晴久 先⽣ (昭和医科⼤学発達障害医療研究所 所⻑/著書「職場の発達障害」ほか)
・池⽥浩之 先⽣ (兵庫教育⼤学⼤学院臨床⼼理学コース教授/精神・発達障害就労⽀援研究)
・中村 郁 さん (声優/発達障害当事者・著書「発達障害でぐちゃぐちゃな私が最⾼に輝く⽅法」ほか)
・南 佳那 さん (卒業⽣・⽇本通運名古屋⽀店総務部/発達障害当事者)
・⽊野内美⾥ 先⽣ (臨床美術⼠/フェリシモ商品企画部ディレクター)
・NPO法⼈ ⼤阪精神障害者就労⽀援ネットワーク
・就労移⾏⽀援事業所 エンカレッジ京都
・就労移⾏⽀援事業所 リタリコワークス京都駅前・四条河原町
・就労移⾏⽀援事業所 Kaien烏丸御池
・就労移⾏⽀援事業所 ディーキャリア四条烏丸
詳細は下記リンク先より確認できる。
京都精華大学|2025年度新設 発達障害特性のある学生を対象としたキャリア科目 「ソーシャルスキルトレーニング」を開講します。
執筆:山口夏奈(KEI大学経営総研 研究員)