文部科学省　日本人学生の海外留学状況・外国人留学生の在籍状況調査結果を公表

文部科学省は４月30日、独立行政法人日本学生支援機構が実施した「2023（令和５）年度日本人学生留学状況調査」と「2024(令和６)年度外国人留学生在籍状況調査」の結果を公表した。

日本の大学等が把握する日本人留学者数（大学間交流協定に基づく留学等）

この調査は、教育又は研究等を目的として、2023年度中（2023年４月１日から2024年３月31日まで）に海外の大学等（海外に所在する日本の大学等の分校は除く）で留学を開始した日本人学生について、調査したものである。
大学等が把握している日本人学生の海外留学者数は、2023年度で89,179人（対前年度比31,017人（53.3％）増）となり、新型コロナによる入国制限が緩和され始めた2021年以降、大幅な回復傾向にある。
なかでも1か月未満の短期留学が大幅な増加をしており、対前年度比で約100％増加している。

出典:令和７年４月30日文部科学省報道発表資料

留学者数の多い国・地域は、アメリカ合衆国13,517人（対前年度比13.8％増）、オーストラリア9,163人（対前年度比48.1％増）、韓国8,384人（対前年度比79.2％増）。地域別では、アジア諸国への留学者数が、対前年度比で約110％増加している。

出典:令和７年４月30日文部科学省報道発表資料

※留学生の定義は、（独）日本学生支援機構(JASSO)「日本人学生留学状況調査」に拠る。
対象は、日本国内の高等教育機関に在籍する学生等で、日本国内の大学等と諸外国の大学等との学生交流に関する協定等に基づき、　　教育又は研究を目的として、海外の大学等で留学を開始した者及び、在籍学校において把握している限りにおいて、協定に基づかない留学をした者。短期の交換留学等も含む。
　JASSO ホームページ: https://www.studyinjapan.go.jp/ja/statistics/japanese-students

---

外国人留学生在籍状況調査

この調査は、我が国の大学（大学院を含む）、短期大学、高等専門学校、専修学校（専門課程）、日本の大学に入学するための準備教育課程を設置する教育施設及び日本語教育機関における外国人留学生の在籍状況（2024年５月１日現在）を把握し、 留学生施策に関する基礎資料を得ることを目的として実施しているものである。
これによると、2024（令和６）年５月１日現在の外国人留学生数は336,708人で、前年度より57,434人増加した（対前年度比20.6％増）。世界的にも外国人留学生数が増加している中で、日本においても多様な国・地域からの外国人留学生を受け入れており、留学生総数は過去最多となった。

出典:令和7年4月30日文部科学省報道発表資料

外国人留学生数の多い国・地域は、中国123,485人（対前年度比6.9％増）、ネパール64,816人（対前年度比71.1％増）、ベトナム40,323人（対前年度比11.0％増）。
主な出身国（地域）別に見ると、特にアジア圏の国・地域で大幅な増加となり、ネパール、ミャンマー、スリランカ、バングラデシュ、インドネシア、モンゴルからの外国人留学生数については、コロナ禍前（2019年）を上回る在籍者数が計上された。特に中国・ネパールからの留学生を合わせると、全留学生に占める割合は55.9%（前年度54.9%）と過半数となっている。

出典:令和7年4月30日文部科学省報道発表資料

在学段階別に見ると、高等教育機関については、準備教育課程を除く全ての学種において、外国人留学生数が増加している。また、日本語教育機関については、日本語教育機関を対象とした調査を開始した2011年度以降過去最多となった。

出典:令和7年4月30日文部科学省報道発表資料

専攻分野別では、人文科学・社会科学系が全体の70%を占めている。

出典: (独)日本学生支援機構「2024（令和６）年度 外国人留学生在籍状況調査結果」

また、留学生受入数の多い大学では、特に私立大学で、対前年比で10%以上増加した大学もある。

(独)日本学生支援機構「2024（令和６）年度 外国人留学生在籍状況調査結果」より 留学生数2,000人以上の大学で作成

[参考サイト]
・文部科学省令和７年４月 30 日　報道発表「日本人学生の海外留学状況」及び「外国人留学生の在籍状況」を 公表します
・(独) 2023（令和５）年度 日本人学生留学状況調査結果
・(独)日本学生支援機構「2024（令和６）年度 外国人留学生在籍状況調査結果」

Author：小松原潤子（KEIHER Online 編集委員）