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文部科学省

文部科学省 「令和8年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」を公表

文部科学省は6月3日、令和8年度(2026年入学)大学入学者選抜実施要項を公表した。
これによれば、試験期日は大学入学共通テストの本試験が2026年1月17日と18日、追試験が1月24日と25日。

総合型選抜は、入学願書受付を令和7年9月1日以降、判定結果を令和7年11月1日以降に発表、
学校推薦型選抜は、入学願書受付が令和7年11月1日以降、判定結果を令和7年12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)に発表することとしている。

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教科・科目に係る個別テスト(各大学で実施する一般選抜、総合型選抜及び学校推薦型選抜において実施する教科・科目に係る個別テスト)の期日については、「令和8年2月1日から3月25日までの間」とされているが、総合型選抜および学校推薦型選抜において、上記の期間よりも前に教科・科目に係る個別テストを実施する場合には、「調査書等の出願書類に加え、第6の3(小論文・面接・実技検査等の活用)又は5(志願者本人が記載する資料や高等学校に記載を求める資料等の活用)に掲げる評価方法と必ず組み合わせて丁寧に評価しなければならない。ただし、高等学校教育に対する影響や入学志願者に対する負担に十分配慮する」と明記されている。

これは、2025年度の年内入試において、一部の大学が2月1日より前に個別学力試験を実施したことが問題視されたことを受け、大学入学者選抜協議会での協議の結果、条件付きで認めた形となったものである。
なお、英語の4技能を測る検定試験などの「資格・検定試験等の成績の活用」は、年内入試における教科・科目に係る個別テストと組み合わせて評価すべき対象には含まれない。

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さらに学校推薦型選抜については、「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく、特定の大学・学部等で教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を有する入学志願者を高等学校長が判断するものであることから、推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項等により示さなければならない」としている。

これを受けて、学校が入学志願者について作成する推薦書には、「大学・学部等のアドミッション・ポリシーに対応する志願者本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素に関する評価についての記載を求める」とともに、「生徒の努力を要する点などその後の指導において特に配慮を要するものがあればその内容について記載を求める」として、推薦書のイメージ例を参考様式として提示している。

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選抜区分ごとの個別テストの実施教科・科目、評価方法等の詳細は、令和7年6月3日から7月31 日までに発表し、発表後は、大規模な災害の発生などにより当該大学において入学者選抜が実施できない場合を除いて、受験者に不利益を与える恐れのある変更は行わないことが明記された。

また、第14備考においては、「この要項は、令和7年度に実施する令和8年度大学入学者選抜に適用する」ものであるとしたうえで、「この要項により実施し難い事情のある大学は、募集要項の発表前(募集要項の発表後に募集要項のとおり実施し難い事態が生じた場合には、速やか)に、文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室に連絡する」ことが示されている。

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なお、同日公表された「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱」によれば、令和9度大学入学共通テストの実施期日は2027年1月16日・17日。実施方法、出願教科・科目の詳細、時間割、試験場、出願手続き、検定料、成績提供、経費等に関する要項は、2026年6月30日までに大学入試センターより公表される。

詳細は下記リンク先にて確認することができる。
文部科学省 令和8年度大学入学者選抜実施要項について(通知)
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱」について(通知)

Author:小松原潤子(KEIHER Online 編集委員)

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