KEI BOOK CLUB

高等教育関連の新刊書を中心に、さまざまなジャンルの書籍を紹介するコーナー

『学びをつくる問いと対話のデザイン ――探究・研修・大人の学び』福島創太 著(学文社刊)

■ 本の内容

格差、政治、環境問題、キャリア、人間関係、「正解のない問題」があふれる時代に、どんな学びを届けるべきか?延べ55万人、年間10万人以上の中高生が学ぶ探究学習、1000人以上の教育関係者(先生、管理職、指導主事等)、企業人が学んできた研修を開発、提供する筆者が、いま必要な学びとそのデザインの手法を示す。
「問い」と「対話」のデザインによって探究学習やワークショップ形式の研修を設計していくための実践書。


■ 著者

福島 創太(ふくしま・そうた)
1988年生まれ。株式会社教育と探求社 開発部マネージャー、一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブ 研修開発責任者。東京大学教育学研究科博士課程在籍(専攻は教育社会学)。


【目次】

まえがき 本書を手に取っていただいた方へ
序章 いまの時代に学びを届けるということ

第Ⅰ部 いま、どんな学びが必要なのか?

 第1章 改めて、なぜいま学びの必要性が叫ばれるのか
  学び大改革時代 / もう一つの変化 / 私たちに求められること

 第2章 学びの場をデザインする前に 本書が扱う学びと理論的根拠
  学び・教育に関する見取り図 / デザインと学び観・教育観のズレ / テーマとデザインの距離
  / 本書が扱う“学び” / 問いと対話による「学び観の更新」と「主体性の発露」

第Ⅱ部 学びの場をどのようにデザインするか?

 第3章 三段階の問いと対話の構造
  前提を整える / 三段階の問いと対話の連関構造 / 「活動」と「学び」の関係
  / どんな人に学びを届けるか ニーズをとらえる / どんな学びを届けたいか 意図を紡ぐ
  コラム1 学びの意図と評価

 第4章 問いの力
  問いの機能 / 何が問いの機能を作動させるのか? / 問いのリストを考える三つの軸
  / 「ゆらぎ」を生み出す問いの三つの観点
  コラム2 学習ループと問い

 第5章 対話の魅力
  対話の機能 / 何が対話の機能を作動させのか? / “聞く”ということ / “違う”ということ
  / 結論を出す必然性 / おわりに―設計者の意識、学び手の意識
  コラム3 問いと対話以外のデザインーグラウンドルールと環境のデザイン

 第6章 問いと対話のデザイン
  体験のデザイン / 対話・思考・感情のストーリー / 仮置きと磨き込み
  / 三つ目の問いと対話のデザイン / 三つ目の問いに向かう準備 / 認知的レディネスと集合知
  / 動機づけ的レディネス / 問いと問いの組み合わせの工夫 / 一つ目の問いと対話
  / 二つ目の問いと対話 / 考える手がかり / 問いの表現デザイン
  / 全体のバランスを踏まえたチューニング / 三段階の問いと対話の構造の使いどころ
  コラム4“low floors” /“wide walls” /“high ceiling とerror&learn”

 第7章 学びの場をどのように届けるか?
  学びの場における役割 / 主体的学びが生む「隷属する主体性」と「忖度力育成」
  / オートロックのパノプティコン / 真に“私”として学べる場のために
  / 学び続ける人こそが学びを届けられる

 あとがき


定価 2,310円(税込)
刊行日 2025年3月3日

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