
『基礎と事例で学ぶ 教育工学のすすめ 「学ぶ」「教える」の探究から新しい実践を創る』後藤崇志・西森年寿・村上正行 編著(ナカニシヤ出版刊)
『基礎と事例で学ぶ 教育工学のすすめ 「学ぶ」「教える」の探究から新しい実践を創る』後藤崇志・西森年寿・村上正行 編著(ナカニシヤ出版刊)
教育工学とは何か? 何をめざし、何ができるのか? 理論的な基礎とさまざまな実践事例を紹介し、創造に満ちた教育工学の世界へ誘う
■本の内容
背景理論や研究法の基礎と、それを応用した実践事例を紹介し、「さまざまな分野の知見を教育研究に生かしたい!」「教育現場の課題を最新技術を用いて解決したい!」など、教育や学習の改善を願う方々に、教育工学という学問分野の大まかなイメージを示す。
あなたも創造に満ちた教育工学の世界で一緒に探究しませんか!?
教育工学は教育学や心理学、情報工学などのさまざまな学問の知見を活用し、教育・学習に関わる問題解決や目標達成のための事物や環境を創造する学際的で応用志向な学問です。教育工学は、隣接する学問領域を学び、研究に取り組んで来られた方々が、その専門的な知識や技能を活かして教育・学習の実践を改善することができる学問分野でもあります。
(「はじめに」より)
■編著者:
後藤崇志(ごとう たかゆき) 【1・3・5・6章、事例③】
大阪大学大学院人間科学研究科准教授。博士(教育学)。専門は教育工学、教育心理学。著書に、『エッセンシャル教育心理学』(大学教育出版、分担執筆)、『未来思考の心理学:予測・計画・達成する心のメカニズム』(北大路書房、共監訳)など。
西森年寿(にしもり としひさ)【1・2・6章】
大阪大学大学院人間科学研究科教授。博士(人間科学)。専門は教育工学。著書に『学習の環境:イノベーティブな実践に向けて』(明石書店、共訳)、『デジタル教材の教育学』(東京大学出版会、分担執筆)など。
村上正行(むらかみ まさゆき)【1・4章】
大阪大学全学教育推進機構教授。博士(情報学)。専門は教育工学、大学教育学。著書に『教育工学における大学教育研究』(東信堂、共編著)、『大学授業改善とインストラクショナルデザイン』(東信堂、分担執筆)など。
◆執筆者
重田 勝介 北海道大学情報基盤センター 教授 【4章】
仲谷 佳恵 大阪大学スチューデント・ライフサイクルサポートセンター 准教授 【事例①】
池尻 良平 広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授 【事例②】
木村 千夏 大阪大学大学院人間科学研究科 招へい研究員 【事例④】
森 秀樹 昭和女子大学人間社会学部 准教授 【事例⑤】
上田 勇仁 帝京大学高等教育開発センター 助教 【事例⑥】
高津 遥 大阪大学大学院人間科学研究科 博士後期課程 【事例⑦】
大山 牧子 神戸大学大学教育研究センター 准教授 【事例⑧】
田口 真奈 京都大学大学院教育学研究科 准教授 【事例⑨】
根岸 千悠 京都外国語大学共通教育機構 講師 【事例⑩】
松河 秀哉 東北大学高度教養教育・学生支援機構 准教授 【事例⑪】
岡本 紗知 大阪大学国際機構 准教授 【事例⑫】
今井 亜湖 岐阜大学教育学部 教授 【事例⑬】
目次
基礎編
1章 教育工学へのいざない
1.1 教育工学の学問的性質2
1.2 教育工学の扱う対象
1.3 本書の構成
2章 教育・学習の方法と技術
2.1 目標─何を教えるのか
2.2 教授(1)―どう教えるか
2.3 教授(2)─どんな環境を用意するか
2.4 評価─ どう測るのか
2.5 教育方法に関わる知識の広がり
3章 教育・学習への心理学的アプローチ
3.1 行動主義と認知心理学的アプローチ
3.2 人はどのように学ぶのか?―学習プロセスの心理学
3.3 人はどんなときに学びたくなるのか?―学習意欲の心理学
3.4 学習者は一人ひとりどのように異なるのか?─個性と発達の心理学
3.5 心理学の視点から考えるときに注意したいこと
4章 教育・学習における情報技術の利用
4.1 CAI、CSCL、eラーニング
4.2 遠隔教育とオープンエデュケーション
4.3 xR、メタバース
4.4 教育・学習データの分析、ラーニングアナリティクス
4.5 生成AIの教育利用
4.6 教育・学習における情報通信技術の活用の今後
5章 教育工学研究の始め方─リサーチクエスチョンを立てる
5.1 研究における問いとは何か?
5.2 教育工学の問いにはどんなものがあるか?
5.3 研究を進めていくための問いを立てるコツ
6章 教育工学研究の進め方─研究法を学び、計画を立てる
6.1 問いと仮説
6.2 研究対象の選定─サンプリングと妥当性
6.3 因果関係と相関関係
6.4 実験研究と調査・観察研究
6.5 交絡とその対処
6.6 分析手法への理解
6.7 教育工学研究における倫理的課題と配慮
6.8 研究と実践の有機的な連環に向けて
実践編
事例① 英語スピーキング学習支援
1.1 教育工学の視点から実施する英語学習支援研究
1.2 英語スピーキング学習支援研究(1)─アプリ開発研究
1.3 英語スピーキング学習支援研究(2)─タスクを使った調査研究
事例② 歴史家の思考を体験できる学習ゲーム
2.1 理学的基礎のフェーズ
2.2 工学的応用のフェーズ
2.3 効果検証
2.4 教育工学研究のおもしろさ
事例③ 自由研究の課題設定・計画立案の支援
3.1 学習者が主体となる探究学習の学習効果
3.2 自由研究の支援プログラムの開発
事例④ インターネットリテラシーの指導
4.1 インターネットニュースの発信者は多種多様
4.2 大学生に対する質問紙調査
4.3 学習経験から類推させる授業デザイン
4.4 批判的評価をどうやって評価するか?
4.5 発信者プロファイリングで具体的に意識させる
4.6 インターネットリテラシー向上に向けて
事例⑤ プログラミング教育とプログラミングを通じた学び
5.1 プログラミング教育とプログラミング的思考
5.2 プログラミング教育の歴史
5.3 Scratch、Cricket、Programmable Batteryを活用した授業実践
事例⑥ プロジェクト学習
6.1 プロジェクト学習の課題
6.2 振り返り課題の支援に取り組んだ事例
事例⑦ 協調的な環境と創造
7.1 集団の話し合いとアイデア生成過程の研究
7.2 アイデア生成における話し合いの効果を検証する実験
7.3 アイデアを生成するための協調過程の解明に向けて
事例⑧ リフレクションの支援
8.1 さまざまな分野におけるリフレクション研究
8.2 何をふりかえるのか?
8.3 リフレクションの支援
8.4 前向きなリフレクション
事例⑨ 反転授業の授業設計
9.1 反転授業が生まれた経緯
9.2 反転授業の定義
9.3 従来型授業を反転授業に変換した授業実践例
9.4 反転授業実践の支援
9.5 反転授業は広がるか
事例⑩ プレFD参加者の学び
10.1 FD、プレFDとは
10.2 プレFDプログラムの成果と課題
10.3 プレFDの実践研究の事例
事例⑪ 授業評価アンケートの自由記述の分析と活用
11.1 授業評価アンケートの意義と位置づけ
11.2 自由記述の分析手法とその特徴
11.3 今後の展望
事例⑫ 研究室のアイデンティティ・キャリア形成
12.1 研究室に所属する学生たちへのインタビュー調査
12.2 M-GTAとの出会い
12.3 M-GTAを使ってみる
12.4 分析テーマの設定と調整
12.5 他の手法と比較する─M-GTAとKJ法
12.6 M-GTAと理論枠組み
事例⑬ 外国にルーツをもつ子どもたちの教育・学習支援
13.1 外国にルーツをもつ子どもたちとは
13.2 外国にルーツをもつ子どもたちの教育・学習支援研究との出会い
13.3 研究の7ステップモデルを使って研究課題を設定する
13.4 日本語指導が必要な子どもたちの学習・教育支援研究の原点
13.5 まとめ
定価 2,860円(税込)
刊行日 2025年10月20日


