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『世界の教育はどこへ向かうか 能力・探究・ウェルビーイング』白井 俊 著 (中公新書)

教育関係者・子育て世代 必読 日本は大丈夫?

■本の内容

デジタル化やグローバル化などの社会変化を背景に、世界各国が教育改革を加速させている。本書は国連やOECD、ユネスコなどの国際機関、各国での議論を踏まえ、これからの教育を考察する。新たな時代に求められる能力や主体性、ウェルビーイングとは何か。各国が直面する教師不足や過重なカリキュラムへの対応策は。そして、日本に欠けている点とは。一人ひとりの子供が尊重された、あるべき教育、学校の未来を探る。


【著者】

白井 俊(しらい しゅん):
1976年生まれ。埼玉県出身。東京大学法学部卒業。コロンビア大学法科大学院修士課程修了。2000年 文部省(現・文部科学省)に入省し、同省生涯学習政策局(現・総合教育政策局)、初等中等教育局、高等教育局、国際統括官付等で勤務、その間、徳島県教育委員会、OECD(経済協力開発機構)、独立行政法人大学入試センターに出向。2023年8月より内閣府に出向し、現在、同府科学技術・イノベーション推進事務局参事官(研究環境担当、大学改革・ファンド担当)。

著書:『OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来』(ミネルバ書房、2020)
共著:『「少ない時数で豊かに学ぶ」授業の作り方―脱「カリキュラム・オーバーロード」への処方箋』(ぎょうせい、2021年)
   『探究モードへの挑戦』(人言洞、2022年)


■ 目 次 ■

はじめに

序 章 変わる世界の教育
 1 デジタル化の影響
 2 「学力世界一」の交替
 3 教師を取り巻く環境の変化

第一章 教育は何を目指すべきか
 1 世界のパラダイム転換
 2 国連が採択したSDGs
 3 ウェルビーイングへの注目
 4 人間重視に立ち返る

第二章 「主体性」を捉え直す
 1 理想と現実のギャップ
 2 そもそも共通理解はあるのか
 3 国際的な視点から問い直す

第三章 子供たちに求められる「能力」
 1 能力とは何か
 2 「非認知能力」の重要性と落とし穴
 3 能力を発揮する方向

第四章 「探究」の再検討
 1 「総合的な学習の時間」の導入
 2 前提としての方法論
 3 成功するための条件

第五章 何をどこまで学ぶべきか
 1 「広さ」と「深さ」のトレードオフ
 2 問題の背景
 3 見えてきた解決策

終 章 これからの教育はどこへ向かうか
 1 ニュー・ノーマルの教育像
 2 未来の学校はどうなるか

おわりに

主要参考文献


定価 990円(税込)
刊行日 2025/2月21日

リンク:中央公論新社『世界の教育はどこへ向かうか 能力・探究・ウェルビーイング』

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