
関西大学 高橋智幸学長 インタビュー 「寄り道」を肯定することが学生の豊かな人生を構築する
■社会の課題に応える学部の創設と貢献
--話を社会安全学部に戻させていただきますが、同学部は関西大学全体にどのように貢献するのでしょう。
高橋学長:社会安全学部は、大学が社会のニーズに直接応える「社会貢献型学部」としての役割を担っています。災害と事故を正面から扱う学部としては、設立当初、世界で初めてのものでした。災害が起きた際に専門家として的確な情報を提供すること、そして国の防災政策の議論に深く関わること。さらには、これらを通じて研究成果を社会に実装することが私たちの使命です。
--卒業生はどのような分野で活躍されているのでしょうか。
高橋学長:多岐にわたります。例えば、土木・工学系の知識を活かし、建設・コンサルタント業界に携わる者もいれば、法律や行政を学んで政策の分野に進む者もいます。学部の文理融合が、多様なキャリアパスを生み出している好例ですね。学部としては特定の業界に進むことを強制するのではなく、視野を広げて、危機管理の学びをあらゆる分野で活かしてほしいと考えています。
--その考え方は、大学全体のキャリア教育にも通じるものですか?
高橋学長:その通りです。関西大学のキャリア教育は、いわゆる「有名企業400社」というような特定の企業への就職者数や国家公務員試験合格を目指しているわけではありません。もちろん、そうしたキャリアを目指す学生への支援は惜しみませんが、それを画一的な目標として押し付けることはしない。中小企業や、地域に密着した働き方を望む学生もいます。私たちの役割は、多様な選択肢をバイアスなく提示し、学生が自身の価値観や人生観に合ったキャリアを主体的に選べるよう、共に考えることです。最終的に大学の評価を決めるのは、卒業生たちが充実した人生を送れているかどうか、その一点に尽きると考えています。
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