オピニオン/研究

複雑・多様化する社会の構造的な課題を提起し、これからの高等教育のあるべき姿などを問い、課題解決の方法を提言していく。

東洋大学 入試部長・加藤建二氏 講演

大学入試改革の最前線~東洋大学の挑戦と展望~

大学入試は今、一般選抜から「年内入試」(総合型・学校推薦型選抜)へのシフトが急激に進行している。文部科学省の調査によれば、2024年度入試における年内入試合格での進学者は、国公立大学で全入学者の約2割、私立大学では約6割にのぼっている。今後も受験生は、合格確実な上位大学の指定校推薦へシフトするとともに、併願可能な年内入試志向が高まるため、「年内入試の一般選抜化」がさらに進むと見られる。
一方で、年内入試では面接や小論文、プレゼンテーションなど「多面的な評価」によって選抜を行うため、年内入試入学者の基礎学力の不足は大きな課題となっている。

今回我々は、2025年度入試から併願可能な年内入試「基礎学力テスト型入試」を導入した東洋大学入試部長の加藤建二氏に、同大学の入試改革の取組みと目的についてうかがった。

なお、本稿は、New Education Expo2025のセミナーにおける加藤氏の講演を再構成したものである。


■東洋大学の沿革と紹介
 ~「哲学する」建学の精神、今も息づく~矢口悦子学長インタビュー
■大学入試は今―高校・大学の三層構造―
■目指す教育の実現のために 東洋大学の入試改革と結果
■2025年度 併願可能な「学校推薦入試基礎学力テスト型」の導入
■2026年度以降の入学者選抜の基本方針


■東洋大学の沿革と紹介

東洋大学の沿革は、下のスライドの通りです。
本学の大きな転機になったのは、2014年に文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」に採択をされて、いわゆるグローバル化・国際化に大きく舵を切ったことでした。そこから現在まで、学部改組やキャンパス移転など、様々な改革に取り組んできました。

大学通信の全国の高校の進路指導の先生方へのアンケートでは、10年連続で「改革力が高い大学」で高評価をいただいています。これは東洋大学の強みであり、継続して本学を選んでいただける取り組みをしていこう、ということを大学全体で共有しています。

※東洋大学の詳しい紹介は、KEIHER Onlineの独自記事「『哲学する』建学の精神、今も息づく~矢口悦子学長インタビュー~」を参照。

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