
東北大学、グローバルに活躍する若手研究者と企業が集う新プラットフォーム「ZERO INSTITUTE」を設立
東北大学は、2025年7月31日、グローバルに活躍する若手研究者と企業が多様なコラボレーションを実現するためのプラットフォーム「ZERO INSTITUTE」の設立を発表した。「ZERO INSTITUTE」は、2024年12月に国際卓越研究大学第1号に認定された東北大学が、世界水準の研究環境の拡充に取り組む中で、イノベーションの社会実装を進めるべく、新たに立ち上げた組織である。2025年7月に設立され、同年9月より本格的な活動を開始する。
「ZERO INSTITUTE」の設立は、若手研究者と産業界、双方のニーズに基づくものである。グローバルに活躍する若手研究者は、海外でのキャリアと並行して、自身のルーツである日本での社会実装や産学共創に取り組むことができる環境を望んできた。また、産業界においては、社会課題や需要が多様化・複雑化する中で、各地、あるいは各拠点に分散する最先端研究の動向を把握することの難しさが増してきている。これらの課題を解決し、イノベーションの社会実装を進めるべく立ち上げられたのが同組織だ。様々な研究分野に対して若手研究者と企業が共創し、地球規模の社会課題解決に繋がるプロジェクトやディープテック・スタートアップの創出が推進される予定である。

「ZERO INSTITUTE」では、世界中の研究機関・企業に所属する若手研究者を「Visiting Scholar(客員教員)」として招聘する。初年度は40名規模でスタートさせ、2028年度までに、多様な分野で活躍する若手研究者が常時100名以上在籍している環境の構築を目指す。なお、各研究者は一定審査を経た上で、自ら社会実装プロジェクトを企画・実行することができる。
また、「ZERO INSTITUTE」の取り組みに賛同する企業は、同組織にスポンサーとして参画でき、従来の1対1の研究活動ではなく、同組織で行われる全てのプロジェクトの企画・内容へのオープンなアクセスが可能となる。
さらに、本取り組みに際しては、一般財団法人「ZERO Foundation」および個人を通じて、10年以上に渡り400名超のグローバルな若手研究者の支援活動・資金提供を行ってきた渡邊拓氏を副インスティテュート長(同大学の客員教授に就任)に迎え、同氏の実績・知見と同大学の知見・経験を組み合わせると共に、様々な外部パートナーも交えながら新たな産学共創に取り組んでいくという。
東北大学は今後の展開として、グローバルに活躍する若手研究者との協働により、同大学の国際卓越研究大学としての先駆的な取り組みやプロジェクトが繋がりを増やす中で、「ZERO INSTITUTE」を世界中の研究機関・組織と連携した、国際頭脳循環を実現する一大拠点へと進化させていく考えだ。また、若手研究者が日本で研究・社会実装に取り組む際の入口として、同組織が活用されることにも期待を寄せている。
詳細は、下記リンク先にて確認することができる。
東北大学|2025年|プレスリリース・研究成果:世界の若い才能と企業が集う「東北大学 ZERO INSTITUTE」始動
記事:山口夏奈(KEI大学経営総研 研究員)