
「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」公表 文理の学生割合同程度を目指す
文部科学省は2026年2月13日、「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」を公表した。理系人材育成のため、公立の普通科高校で文系と理系の学生を同程度の割合にする等の目標が示された。
2040年に向けたロードマップとして示された本構想の名称は、「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」。少子高齢化、生産年齢人口の激減、そして生成AIの実装といった社会変化を見据えた改革案となっている。
15歳人口は2024年の約106万人から2039年には約70万人へと、わずか15年で約3割も減少するという。また労働市場では、従来型の事務職に余剰が生じる一方で、AI・ロボットを使いこなすデジタル人材や高度な理系人材が決定的に不足する「労働力需給ギャップ」の拡大が不可避であるとしている。
本グランドデザインが目指すのは、高校改革を進めN-E.X.T.ハイスクール構想を実現すること、そして高校から大学・大学院に至るまでの一貫した改革により、強い経済や地域社会の基盤となる人材を育成することにある。象徴的な指針として、「文理の区分撤廃」、「理系生徒の5割への引き上げ」などが打ち出された。
高校改革の3つの柱:N-E.X.T.ハイスクール構想の構造
本構想の名称「N-E.X.T.」には、3つの戦略的視点が込められている。
• New Transformation(学びの在り方の転換): 単位制の柔軟化を大幅に進め、一人一人の「好き」や「得意」に応じた「オーダーメイドの時間割」の実現を目指す。これは、従来の知識伝達型から、地域課題への探究や丁寧な学び直しといった、生徒の主体性を引き出す教育へのシフトを意味する。
• New Excellence(最先端を学ぶ高校の特色化・魅力化): AIやデジタル技術を活用し、文理横断的な教養と科学的思考力を備えた次世代人材を育成する。大学や産業界と連携した実践的な探究学習を推進し、高度な実験設備を備えた拠点を整備するとともに、教師の指導体制を強化。従来の「普通科」の概念を転換し、地域課題の解決や新たな価値創造に貢献するグローバル人材の輩出と、各校の特色化・魅力化を目指す。
• New Education(学ぶ機会・アクセスの確保): 遠隔授業や学校配置・規模の適正化により、地域を問わず質の高い学びを確保する。通信制の質向上に加え、不登校や特別支援、日本語指導が必要な生徒への支援を強化。多様なニーズに寄り添い、誰一人取り残さず個々の可能性を最大限に引き出す教育環境を整備する。
支援体制と実行計画:交付金創設と改革先導拠点の創出
「N-E.X.T.ハイスクール構想」の実現に向け、国は新たな財政支援の仕組みを構築し、各都道府県に改革のモデルとなる「改革先導拠点」を創設する。専門高校では産業界と連携した高度な職業教育を、普通科では文理横断的な探究学習やDX環境の整備を重点的に支援する。2040年までに全ての普通科で文理横断的な学びを実現し、進路未決定者を半減させるなど、地域の実情に応じた質の高い教育基盤の確立を目指す。
現在、普通科高校における文理比率は文系が約5割、理系は約3割(通信制等を含めると文系45.6%、理系27.1%)に留まる。この現状に対し、文科省は2040年までに、公立の普通科高校における理系の学生割合を5割へと引き上げ、文理を同程度にするという目標を掲げている。
2040年までに達成を目指す主な目標:
• 文理比率の均衡: 普通科高校における文理の生徒割合を同程度とする。
• 文理横断の学びの完全実施: 全ての普通科高校で文理横断的な学びに取り組む。将来的には文理の区分がなくなることを目指す。
• 専門高校の機能強化: 全ての専門学校で地域の産業界等と連携・協働した取組を行う。生徒数を現在と同水準に維持。
• 進路未決定者の半減: 高校卒業段階の進路未決定者の割合の半減。
詳細は下記リンク先より確認できる。
・高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン):文部科学省


