
上智大学 杉村 美紀学長インタビュー[後編]
■ 杉村新学長の素顔
--最後に、先生が、公務を離れた時にどんなことをされているのかお伺いしてもよろしいでしょうか。
杉村:母の影響もあり、音楽、特にピアノをやっていました。音楽は、やはり人をつないでくれるものだから、とても好きですね。オーケストラもすごく好きで、上智大学のオーケストラの公演はいつも聞きに行きます。自分で弾くのもそうですが、皆で力を合わせてすることには憧れがあります。よく、国際協力などの分野でオーケストレーションと言われますが、調和を持って皆でやっていく、そこに連携する時の基本があるのだと思います。
これから力を入れようと思っているのは、語学ですね。上智大学の職員のみなさんのなかには、語学がよくできる人も多いのですが、私はなかなか新しい言葉には取り掛かれなくて。
--ちなみに、何語をされるのでしょうか。
杉村:日本語と英語だけです。実は、私は中国の方にすごくよく似ていると言われることが多いんですよ。これまで何回も、「先生は日本語が上手ですね」と中国の留学生から褒められたことがあります(笑)。
「そう思いますか?」と、とぼけて尋ねますと、「時々おかしいところもあるけれども、通じているから大丈夫。たくさんしゃべると、もっと上手になりますよ」と言われました。そこで「私の日本語はどこかおかしいですか?」と尋ねたところ、「例えば形容動詞の使い方が間違っています」と言われてしまいました。
種明かしして「どこの人に似ていると思いますか?」と聞いたら、中国の南のほうの広東省、福建省の人によく似ていると言われました。海外でも、あなたは華人、いわゆるOverseas Chinese なんですか?とよく聞かれることがあります。
こうしたこともあり、今は中国語を学びたいと思っています。ずっとやりたいと言いながら、いつも三日坊主で終わってしまうのですが、今度こそはと思っています。留学生からも励まされていますし、頑張ってみようと思います。
【後編終わり】
杉村美紀 上智大学学長 プロフィール:
総合人間科学部教育学科教授。専門は比較教育学、国際教育学、多文化教育。お茶の水女子大学文教育学部教育学科 、ならびに 東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻を経て、博士(教育学)の学位取得。2002年9月より上智大学にて勤務。この間、上智大学学術交流担当副学長(2014年~2017年3月)、グローバル化推進担当副学長(2017年4月~2021年3月)を兼務した。
また学外では、日本ユネスコ国内委員会委員を2016年より2022年まで務め、運営小委員会委員ならびに教育小委員会委員長として持続可能な開発のための教育(ESD)に関する活動等に携わった。また、JICA緒方貞子平和開発研究所客員研究員として「途上国における海外留学のインパクトに関する実証研究」及び「日本の国際教育協力:歴史と現状」のプロジェクトに、さらに国連大学サステナビリティ高等研究所客員教授としてアジア太平洋環境大学院ネットワーク(ProSPER.NET) の研究交流活動にVice-Chairとして従事している。2022年には、ユネスコの1974年勧告改訂に関するInternational Expert Group 委員 に選出され、改訂原案の作成に携わった。2022年4月から2025年3月まで、日本学術振興会学術システム研究センターの主任研究員を務めた。2024年2月からは、上智大学のユネスコチェア選定に伴い、ユネスコチェアホルダー(UNESCO Chair for Human Dignity, Peace and Sustainability)となった。 (マイポータルより)
著書:
〇田中治彦・杉村美紀編『多文化共生社会におけるESD,市民教育』、上智大学出版、2014年。
〇杉村美紀編『移動する人々と国民国家:ポスト・グローバル化時代における市民社会の変容 』、明石書店、2017年。
〇Kayashima, N., Sugimura. M., Kuroda, K., Kitamura. Y. Impacts of Study Abroad of Higher Education Development: Examining the Experiences of Faculty at Leading Universities in Southeast Asia. Springer. 2024.
■世界を舞台にGXを牽引する次世代リーダーを育成 全授業を英語で行う理工学部「デジタルグリーンテクノロジー学科」開設へ
https://www.sophia.ac.jp/jpn/article/news/release/20250221_dgtech/