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文部科学省

文部科学省 DXハイスクール2025採択結果を公表

文部科学省は、2025年4月15日、令和7年度の高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の採択結果を公表した。

本事業は、情報、数学等の教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、当該分野におけるICTを活用した文理横断的・探究的な学びや、専門的な外部人材の活用、ならびに大学等との連携などを通じた実践的な学習の強化に取り組む学校に対し、必要な環境整備の経費を支援するもの。デジタル人材や成長分野の担い手の育成につなげることを目標として、令和6年度(2024年度)にスタートした。

高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)採択校の決定について より(以下同)


令和7年度は、令和6年度採択校からの継続校981校から978校(採択率99.7%)、新規応募校661校から213校(同32.2%)の、計1,191校が採択された。初年度である令和6年度の新規採択校が1,097校中1,010校(同92.1%)であったことと比べると、今回は非常に競争率が高くなっている。

また、初年度の要件で示された「基本類型」に加えて、今年度はグローバル化型、特色化・魅力化型、プロフェッショナル型の「重点類型」が新たに設けられたが、その採択率は継続校で21%、新規校で23%と、かなりの狭き門となった。


令和6年度採択校の成果として、事業実施後に情報活用能力、主体性、協調性、問題解決能力が大きく伸びていること、そしてDXハイスクール対象生徒は、対象外の生徒と比較して伸び率が高いことも示された。

DXハイスクール事業の目標であるデジタル等成長分野を支える人材育成の抜本的強化のために、採択要件として「情報Ⅱ」の開設と履修率の向上、さらに大学理系学部への進学の推進があるが、これらはまだ目標値には達していない。「情報Ⅱ」の開設については、「情報Ⅱ」を教えられる教員の充足が必要であるが、改善しつつあるとはいえ、未だ十分とは言えない状況にある。

また、DXハイスクールには、生徒の理系志向が強いとされるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)は含まれていない(要件として、重複の申請はできない)。そのため、「情報Ⅱ」の履修率の向上や理系学部への進学については、生徒の興味・関心を理系に向けていくために、外部人材の活用やインフラの整備、デジタルものづくりの推進などによる一層の工夫が必要となろう。

詳細は下記リンク先より確認できる。
令和7年度 高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール):文部科学省
高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)

Author:小松原潤子(KEIHER Online 編集委員)

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