KEI BOOK CLUB

高等教育関連の新刊書を中心に、さまざまなジャンルの書籍を紹介するコーナー

『関係人口の時代「観光以上、定住未満」で地域とつながる』 田中輝美 著(中公新書刊)

人口争奪戦から人材をシェアする発想へ

■本の内容

人口が急減するなか、自治体間で人を奪い合うゼロサムゲームでは明るい未来を描けない。
こうした状況下、注目を集めているのが関係人口――特定の地域に継続的に関心を持ち、関与するよそ者――である。
「観光以上、定住未満」の関わり方をする彼らによって、都市にも地域にもプラスになる関係は築けるのか。
それは日本社会にとってどのような意味を持つのか。
豊富な事例をもとに、その可能性を考える。


■著者 田中輝美(たなか てるみ):
島根県立大学地域政策学部准教授。ローカルジャーナリスト。1976年島根県生まれ。大阪大学文学部卒業。99年、山陰中央新報社に入社。2008年、企画「医変―地域医療の存亡」でファイザー医学記事賞大賞。13年、琉球新報社との合同企画「環りの海―竹島と尖閣」で日本新聞協会賞を受賞。14年秋、同社を退職し、ローカルジャーナリストとして活動。18年度総務省ふるさとづくり大賞奨励賞受賞。20年、大阪大学大学院人間科学研究科後期課程修了。博士(人間科学)。21年4月より現職。


目次

序章 住民でも観光客でもなく―地域に関心を持つ

第1章 都市の悩み、地方の課題―つながりから政策へ
   (都市で増える「ふるさと難民」;地方が直面する「心の過疎化」;政策としての関係人口)

第2章 多様なつながり方―ライフステージに合わせて
   (コミュニティに参加する;地域に短期滞在する;一緒に課題を解決する;地域をともにつくる)

第3章 いかに地域と関わるか―好奇心をきっかけに
   (自分起点から始めよう;頼れる関係案内所;つながりの育み方)

第4章 どうやって地域で受け入れるか―長期的視点に立つ
   (関わりしろを考えよう;継続のヒント;関係人口と移住・定住)

第5章 これからの地域とライフスタイル―変わる常識
   (意義と課題;ライフスタイルとして;地域戦略として)

終章 希望ある人口減少社会をどう描くか


定価 1,056円(税込)
刊行日 2025年8月21日

中央公論新社へのリンク

Amazonへのリンク


関連記事一覧